連続強盗強姦事件10時間以上の犯行
2012.10.09(12:47)
Rape10時間以上の犯行、被害者に証拠隠滅強要… 無期懲役求刑の連続強盗強姦事件が10日判決 京都 2012.10.9
証人17人、審理期間30日と、京都地裁の裁判員裁判としては過去最長となった連続強盗強姦事件の判決が10日、言い渡される。起訴された4件の事件に共通するのは、周到な計画性と犯行時間の長さ、被害者自身に証拠隠滅に当たらせ、現金まで奪う卑劣さだ。一方、被告は無罪を主張し、法廷で黙秘を続けている。「魂の殺人」とも言われる性犯罪の残忍な犯行の詳細を目の当たりにした裁判員たちが、どのような判断を下すのか。「最長裁判」の行方が注目される。(矢田幸己)
■黙秘■
平成22年7~10月、マンション管理会社の関係者を装い、京都市内や京田辺市内の女性方に侵入。女性4人に対して乱暴した上、現金計約100万円を奪ったとして、強盗強姦と住居侵入などの罪に問われているのは、大津市の無職、田中豊誠被告(51)。
9月10日の初公判では「特に何も申し上げることはありません」とだけ述べ、その後は黙秘。弁護側は無罪を主張した。
検察側の冒頭陳述などによると、田中被告は高校を卒業後、コックとしてホテルやケーキ店に勤務。平成20年ごろから自宅で菓子教室を開くなどして生計を立てていたが、犯行当時の22年夏ごろには無職で収入も途絶えていたという。
■下見■
起訴された事件は4件。検察側の冒頭陳述などによると、犯人はいずれも犯行前に被害女性方を下見するなど、入念な計画に沿って犯行に及んでいた。
京都市左京区の女性=当時(23)=が被害を受けた事件では、約4カ月前から1週間に1度の頻度でマンション管理会社の関係者を名乗って接触、女性を信用させ、簡単に部屋に侵入していた。
「強盗殺人は何で起こるか分かるか。強盗殺人は逃げるから起こるんや」
22年9月24日午後6時すぎ、女性方に上がり込んだ犯人は、女性の両手首をネクタイで縛り、両目に粘着テープなどをはり、視界を遮ったうえで現金約7千円を強奪。その後、約4時間、2度にわたって乱暴した。
徹底的に女性をもてあそんだうえ、執(しつ)拗(よう)に脅し、周到に証拠隠滅を図っているのも4つの事件の共通した特徴だ。
この事件でも、女性の携帯電話を取り上げ、友人らのメールアドレスをメモしたうえ、携帯電話で撮影した女性の裸の画像を「知人にばらまく」と脅迫。犯行後には、女性にシャワーを浴びさせたうえ、女性に服を洗濯させ、さらに事前に用意した粘着テープ型の掃除用具で、部屋の掃除までさせていた。
それだけにとどまらず、奪った現金が少ないことを知ると、女性に近くのコンビニで預金を下ろすよう命じ、約30万円を路上で受け取った。去り際には「警察に行くのはよく考えてからにしいや」と、捨てぜりふを残したという。
侵入から一連の犯行を終えるまで約15時間。ほか3件の事件でも、犯行時間は3~17時間に及んでいる。
■恐怖と屈辱■
被害者参加制度を使って裁判に参加した被害者の女性の1人は、意見陳述で「誰の助けも呼べない中、恐怖と屈辱だった。被害を生涯忘れることはない」と訴えた。
別の被害女性も「友人や彼氏、家族に申し訳ない気持ちでいっぱい」とやるせない心情を文面で吐露した。
今年9月24日の論告求刑で、検察側は「被告は欲望のまま被害者をもてあそび、現金を奪った」として無期懲役を求刑。
一方、弁護側は最終弁論で検察側が用意した証拠などに疑う余地があるとして、改めて無罪を主張した。
証人17人、審理期間30日と、京都地裁の裁判員裁判としては過去最長となった連続強盗強姦事件の判決が10日、言い渡される。起訴された4件の事件に共通するのは、周到な計画性と犯行時間の長さ、被害者自身に証拠隠滅に当たらせ、現金まで奪う卑劣さだ。一方、被告は無罪を主張し、法廷で黙秘を続けている。「魂の殺人」とも言われる性犯罪の残忍な犯行の詳細を目の当たりにした裁判員たちが、どのような判断を下すのか。「最長裁判」の行方が注目される。(矢田幸己)
■黙秘■
平成22年7~10月、マンション管理会社の関係者を装い、京都市内や京田辺市内の女性方に侵入。女性4人に対して乱暴した上、現金計約100万円を奪ったとして、強盗強姦と住居侵入などの罪に問われているのは、大津市の無職、田中豊誠被告(51)。
9月10日の初公判では「特に何も申し上げることはありません」とだけ述べ、その後は黙秘。弁護側は無罪を主張した。
検察側の冒頭陳述などによると、田中被告は高校を卒業後、コックとしてホテルやケーキ店に勤務。平成20年ごろから自宅で菓子教室を開くなどして生計を立てていたが、犯行当時の22年夏ごろには無職で収入も途絶えていたという。
■下見■
起訴された事件は4件。検察側の冒頭陳述などによると、犯人はいずれも犯行前に被害女性方を下見するなど、入念な計画に沿って犯行に及んでいた。
京都市左京区の女性=当時(23)=が被害を受けた事件では、約4カ月前から1週間に1度の頻度でマンション管理会社の関係者を名乗って接触、女性を信用させ、簡単に部屋に侵入していた。
「強盗殺人は何で起こるか分かるか。強盗殺人は逃げるから起こるんや」
22年9月24日午後6時すぎ、女性方に上がり込んだ犯人は、女性の両手首をネクタイで縛り、両目に粘着テープなどをはり、視界を遮ったうえで現金約7千円を強奪。その後、約4時間、2度にわたって乱暴した。
徹底的に女性をもてあそんだうえ、執(しつ)拗(よう)に脅し、周到に証拠隠滅を図っているのも4つの事件の共通した特徴だ。
この事件でも、女性の携帯電話を取り上げ、友人らのメールアドレスをメモしたうえ、携帯電話で撮影した女性の裸の画像を「知人にばらまく」と脅迫。犯行後には、女性にシャワーを浴びさせたうえ、女性に服を洗濯させ、さらに事前に用意した粘着テープ型の掃除用具で、部屋の掃除までさせていた。
それだけにとどまらず、奪った現金が少ないことを知ると、女性に近くのコンビニで預金を下ろすよう命じ、約30万円を路上で受け取った。去り際には「警察に行くのはよく考えてからにしいや」と、捨てぜりふを残したという。
侵入から一連の犯行を終えるまで約15時間。ほか3件の事件でも、犯行時間は3~17時間に及んでいる。
■恐怖と屈辱■
被害者参加制度を使って裁判に参加した被害者の女性の1人は、意見陳述で「誰の助けも呼べない中、恐怖と屈辱だった。被害を生涯忘れることはない」と訴えた。
別の被害女性も「友人や彼氏、家族に申し訳ない気持ちでいっぱい」とやるせない心情を文面で吐露した。
今年9月24日の論告求刑で、検察側は「被告は欲望のまま被害者をもてあそび、現金を奪った」として無期懲役を求刑。
一方、弁護側は最終弁論で検察側が用意した証拠などに疑う余地があるとして、改めて無罪を主張した。
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