目覚めると全裸事件
2014.08.07(14:17)
目覚めると全裸の恐怖、「瞑想の伝道師」夜通し指導の果てに…
モーニングコーヒーに仕込まれた“罠”
経営コンサルタントという47歳の男は自宅で瞑想のセミナーを開催していた。しかし、参加した女性は夜通しの瞑想セミナーを終えた朝、一杯のコーヒーを飲んで前後不覚に。目が覚めたときには全裸だったという。男は準強制わいせつ罪で起訴された
経営コンサルタントという47歳の男は自宅で瞑想のセミナーを開催していた。しかし、参加した女性は夜通しの瞑想セミナーを終えた朝、一杯のコーヒーを飲んで前後不覚に。目が覚めたときには全裸だったという。男は準強制わいせつ罪で起訴された
眠気覚ましのモーニングコーヒー。そう見せかけて、盛られていたのは眠りを誘う薬だった。女性を意識朦朧(もうろう)とさせ、わいせつな行為をしたとして5月、大阪市内の経営コンサルタントの男が逮捕された。事件現場となった男の自宅では夜通し、あるセミナーが開かれていた。男が独自に編み出したという「アミターバ瞑想(めいそう)法」。その“秘技”を通じ、男は何をしようとしていたのか。
「夜通しでやろう」
準強制わいせつの罪で起訴されたのは、石川尚寛被告(47)=大阪市中央区谷町。
ただ、社会人になってからも病弱な体質は変わらない。「内面はボロボロ、自己啓発セミナーや、セラピー、カウンセリング、心理療法などを受けまくるものの…迷宮入りしてさらに悪化」(被告のHP)
それが40代に入ると、身心の状態が急速に良くなっていったという。なぜか。
「41歳の時にクンダリーニの覚醒という、ヨガ行者が一生修行しても覚醒できない体験を得ました」
クンダリーニの覚醒-。かつてオウム真理教で、教祖だった麻原彰晃死刑囚=本名・松本智津夫=も同じことを言った。
教団雑誌では「クンダリニー」と表記されているが、これは人間の尾てい骨に眠っている霊的なエネルギーなのだという。
「上昇のエネルギー(クンダリニー)が完全に頭頂を突き抜けたとき、エネルギーと知性は一体化する。エネルギーと知性が合一した瞬間、その人はスーパーマンになるんだね」(麻原死刑囚)
オウムは荒唐無稽な動機でテロに走り、松本、地下鉄両サリン事件など未曾有の惨事を引き起こした。麻原死刑囚の教義の危険性、でたらめさは今さら言うまでもないだろう。
本人のホームページ(HP)によると、石川県出身で、大学卒業後に保険会社勤務を経て経営コンサルタントとして独立。自治体や上場企業に招かれて人材開発を担っている、とある。
経営ビジョンの確立や人生設計に役立つとして、石川被告が教えていたのが先のアミターバ瞑想だ。アミターバとは、サンスクリット語で「阿弥陀如来」を指すという。
1月20日夜、インターネットでセミナーに興味を持ったという30代の女性が、石川被告の自宅でマンツーマンの指導を受けていた。
5分間の瞑想に15分間のインターバル。このセットを延々と繰り返していく。石川被告は女性にこう持ちかけた。
「夜通しでやろう」
明けて21日の午前7時ごろ。女性は石川被告から差し出されたコーヒーを飲み、体に変調を来す。前後不覚に陥ったのだ。
起訴状などによると、コーヒーに混入されていたのは鬱病や統合失調症の治療に使われる精神安定剤で、睡眠作用のある成分が含まれている。
石川被告は女性を抵抗できない状態にして、下半身を触るなどしたとされる。女性がしばらくして目を覚ますと、ベッドの上で全裸になっていたという。
“神秘体験”
ところで、石川被告の言う瞑想とはどんなものなのか。
幼少期から重度のアレルギーを持ち、物事に集中できなかったのだという。そこで高校生のころ、精神鍛錬のために座禅やヨガを始めた。
このクンダリーニ(クンダリニー)の覚醒をさらに発展させたものが、石川式アミターバ瞑想であるらしいが、この点について書いた石川被告の文章を読んでも、結局よく分からない。
瞑想の先に…
瞑想に詳しい相模女子大の石川勇一教授(心理療法)によると、一般的な瞑想とは、着座した上で目を閉じたり、半眼にしたりして思考を休息させることを指す。近年は免疫力の向上や鬱病の改善への効果が科学的に立証されたという。米アップル社の創業者、故スティーブ・ジョブズ氏が実践していたのは有名だ。著名人やセレブに愛好家は多く、静かなブームが続いている。
石川被告が自宅で瞑想セミナーを始めたのは1年ほど前からだという。ストレッチや腹式呼吸を取り入れた「入門編」の受講料は千円。一方、石川被告と1対1で行う「コーチマスター編」は年間63万円だった。
この値段設定について、石川被告は「安すぎる」と説く。瞑想の先に充実した人生が待っているからだ、と。
「私たちはこれまで、数百万、数千万以上のお金を性欲、食欲、物欲を満たすために使い続けてきましたが、何が残っていますでしょうか?」
夜通しのセミナーの後、わいせつ行為に及んだとされる石川被告。本人は「お互い合意の上だった」と主張しているが、石川被告の瞑想に性欲を抑える力はなかったようだ。
「多くの人が、自分の感情、欲求すらコントロールできないまま、年老いて、病気になって死んでいきます」
石川被告自身の言葉である。なるほど、その通りなのだろう。
モーニングコーヒーに仕込まれた“罠”
経営コンサルタントという47歳の男は自宅で瞑想のセミナーを開催していた。しかし、参加した女性は夜通しの瞑想セミナーを終えた朝、一杯のコーヒーを飲んで前後不覚に。目が覚めたときには全裸だったという。男は準強制わいせつ罪で起訴された
経営コンサルタントという47歳の男は自宅で瞑想のセミナーを開催していた。しかし、参加した女性は夜通しの瞑想セミナーを終えた朝、一杯のコーヒーを飲んで前後不覚に。目が覚めたときには全裸だったという。男は準強制わいせつ罪で起訴された
眠気覚ましのモーニングコーヒー。そう見せかけて、盛られていたのは眠りを誘う薬だった。女性を意識朦朧(もうろう)とさせ、わいせつな行為をしたとして5月、大阪市内の経営コンサルタントの男が逮捕された。事件現場となった男の自宅では夜通し、あるセミナーが開かれていた。男が独自に編み出したという「アミターバ瞑想(めいそう)法」。その“秘技”を通じ、男は何をしようとしていたのか。
「夜通しでやろう」
準強制わいせつの罪で起訴されたのは、石川尚寛被告(47)=大阪市中央区谷町。
ただ、社会人になってからも病弱な体質は変わらない。「内面はボロボロ、自己啓発セミナーや、セラピー、カウンセリング、心理療法などを受けまくるものの…迷宮入りしてさらに悪化」(被告のHP)
それが40代に入ると、身心の状態が急速に良くなっていったという。なぜか。
「41歳の時にクンダリーニの覚醒という、ヨガ行者が一生修行しても覚醒できない体験を得ました」
クンダリーニの覚醒-。かつてオウム真理教で、教祖だった麻原彰晃死刑囚=本名・松本智津夫=も同じことを言った。
教団雑誌では「クンダリニー」と表記されているが、これは人間の尾てい骨に眠っている霊的なエネルギーなのだという。
「上昇のエネルギー(クンダリニー)が完全に頭頂を突き抜けたとき、エネルギーと知性は一体化する。エネルギーと知性が合一した瞬間、その人はスーパーマンになるんだね」(麻原死刑囚)
オウムは荒唐無稽な動機でテロに走り、松本、地下鉄両サリン事件など未曾有の惨事を引き起こした。麻原死刑囚の教義の危険性、でたらめさは今さら言うまでもないだろう。
本人のホームページ(HP)によると、石川県出身で、大学卒業後に保険会社勤務を経て経営コンサルタントとして独立。自治体や上場企業に招かれて人材開発を担っている、とある。
経営ビジョンの確立や人生設計に役立つとして、石川被告が教えていたのが先のアミターバ瞑想だ。アミターバとは、サンスクリット語で「阿弥陀如来」を指すという。
1月20日夜、インターネットでセミナーに興味を持ったという30代の女性が、石川被告の自宅でマンツーマンの指導を受けていた。
5分間の瞑想に15分間のインターバル。このセットを延々と繰り返していく。石川被告は女性にこう持ちかけた。
「夜通しでやろう」
明けて21日の午前7時ごろ。女性は石川被告から差し出されたコーヒーを飲み、体に変調を来す。前後不覚に陥ったのだ。
起訴状などによると、コーヒーに混入されていたのは鬱病や統合失調症の治療に使われる精神安定剤で、睡眠作用のある成分が含まれている。
石川被告は女性を抵抗できない状態にして、下半身を触るなどしたとされる。女性がしばらくして目を覚ますと、ベッドの上で全裸になっていたという。
“神秘体験”
ところで、石川被告の言う瞑想とはどんなものなのか。
幼少期から重度のアレルギーを持ち、物事に集中できなかったのだという。そこで高校生のころ、精神鍛錬のために座禅やヨガを始めた。
このクンダリーニ(クンダリニー)の覚醒をさらに発展させたものが、石川式アミターバ瞑想であるらしいが、この点について書いた石川被告の文章を読んでも、結局よく分からない。
瞑想の先に…
瞑想に詳しい相模女子大の石川勇一教授(心理療法)によると、一般的な瞑想とは、着座した上で目を閉じたり、半眼にしたりして思考を休息させることを指す。近年は免疫力の向上や鬱病の改善への効果が科学的に立証されたという。米アップル社の創業者、故スティーブ・ジョブズ氏が実践していたのは有名だ。著名人やセレブに愛好家は多く、静かなブームが続いている。
石川被告が自宅で瞑想セミナーを始めたのは1年ほど前からだという。ストレッチや腹式呼吸を取り入れた「入門編」の受講料は千円。一方、石川被告と1対1で行う「コーチマスター編」は年間63万円だった。
この値段設定について、石川被告は「安すぎる」と説く。瞑想の先に充実した人生が待っているからだ、と。
「私たちはこれまで、数百万、数千万以上のお金を性欲、食欲、物欲を満たすために使い続けてきましたが、何が残っていますでしょうか?」
夜通しのセミナーの後、わいせつ行為に及んだとされる石川被告。本人は「お互い合意の上だった」と主張しているが、石川被告の瞑想に性欲を抑える力はなかったようだ。
「多くの人が、自分の感情、欲求すらコントロールできないまま、年老いて、病気になって死んでいきます」
石川被告自身の言葉である。なるほど、その通りなのだろう。
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