どうやった男優になれますか
2014.12.04(17:40)
「どうやった男優になれますか?」
と聞かれることが結構あります。そのたびに考えるのです。僕はいつから男優になったのだろうかと。
中学高校の頃からエロ本とエロビはよく見ていて、「どうやったらこのモザイクの向こう側に行けるのだろうか」と考えていました。モザイクの向こうにはオ〇ンコがある! そればっかを夢見ている、性欲旺盛な10代でした。
高校を卒業し、少しでもAV業界に近づくためにレンタルビデオ屋でアルバイトしました。
「レンタルビデオ屋にはAV業界の人が出入りしていて、仲良くなれば撮影現場に連れていってもらえるんじゃないか」
と想像したのです。でも実際には、AV業界の人には一人も会いませんでした。ただ、この店舗で一番AVを借りているのが僕だったと顧客情報から判明して、
「僕にはモザイクの向こうに行く資格があるんじゃないか」
と、自負しました。
「ヤクザとか怖い人がでてきたらどうしよう」
それほど悶々としながら20歳になった僕は、AV業界の裏側を特集した雑誌に、素人男優募集メーカーの一覧が載っているのを偶然見つけてしまいました。すぐにでも電話して応募したい気持ちでいっぱいになりましたが、色々な事情を考え思いとどまりました。
まずは「親にバレたらどうしよう」という考えが真っ先に浮かび、それから、「ヤクザとか怖い人が出てきたらどうしようか」と不安にもなりました。あと、「映像は一生残るから、将来何かの時にその映像が見つかって人生台無しになったらどうしようか」とも悩みました。
まだ応募の電話もしていないのに、AVに出るということの意味が急に重くのしかかってきました。大学受験で失敗はしたけど、今までの人生はそこそこ順調で、親にも友達にも恵まれていて文句ないっちゃあ無い人生でしたから、この流れを断ち切ってまで「モザイクの向こう」に行きたいかと言うと、そこまでじゃないと思ったのです。AVに出る=もう普通の生活には戻れないと思ったのです。
不安に打ち勝ったAVへの高揚感
でも、一浪して入った大学のランクに納得がいかなかったり、無理して入った社交ダンスサークルにも馴染めず、初めて過ごす大学の長い夏休みを持て余していたある時、魔が差したというか、ちょっとした出来心で、イタズラ電話ぐらいの乗りで応募の電話をかけちゃいました。
そしたら、予想していたよりもしっかりとした対応をされ、
「とりあえず面接に来て下さい」
と言われ、「はい、では明日行きます」と返事してしまいました。
電話を切った後、すぐに後悔しました。何てことしたんだと。でもすぐその後、いや同時に、「モザイクの向こう側に行けるかも!」という高揚感に包まれました。大丈夫なのか? 本当にこんなことして大丈夫なのか? と自問自答するのですが、高まる気持ちが不安一切を打ち消します。受験とも違うドキドキです。ずっと夢見ていた世界に飛び込めるかもしれないのに、その先がバラ色のようでもあり薄暗い闇にも見えるのです。僕は一体どうなっちゃうんだろうと。
でも、とりあえず言われた住所を目指して次の日面接に行きました。
AV男優の面接がどんなものか想像つかないのですが、妄想ばかりどんどん膨らんでいきます。
「じゃあちょっとパンツ脱いでチンコみせてもらえるかな?」
と面接官にいきなり言われ、
「君、ビンビンだね。ちょっといきなりだけどやってみる?ちょっと!! 女優呼んできて!」
みたいな展開がもしかしてあるかもしれない――と期待しちゃっている僕は、万が一に備えて日課だったオナニーを前の晩は我慢しました。
ビンビンの朝立ちと共に目を覚まし、一番きれいなパンツを穿いて指定された住所に指定された時刻の15分前に着きました。
「こんな職場、本当にあるんだ!」
早く着き過ぎるのも何だからと、すぐ近くにあった本屋さんで立ち読みして時間をつぶそうと思いました。勿論、真っ直ぐにエロ本コーナーに向かい、AV情報雑誌系を中心に読み漁りました。
僕の一番好きな現場取材コーナーの記事を見つけ、「もうすぐここに行けるかもしれない」と食い入るように見つめていました。ふとしたら、パンツに我慢汁が付いたのか濡れた感触がします。染みつきパンツじゃ汚らしいと思い、新しいパンツを買って履き替えようかとも考えたのですが、その時すでに約束の時間の3分前だったので、「絶対に遅刻する訳にはいかない」という気持ちの方が強くて、仕方なしにそのまま指定された住所を訪ねました。
「あのぉ、昨日、男優さん募集の記事を見て電話した者ですが……」
「あぁ、奥の部屋ですね。のりかー! 男優希望の人来たよ」
眼鏡をかけた30代中盤ぐらいの、本当にそこらへんにいそうな男性が対応してくれました。周りにいる方も、スーツこそ着ていませんが至って普通っぽいおじさん達で、怖そうな人は一人も見当たりません。机の上には書類が山積みで、いかにも会社って感じです。ただ一つ普通の会社と違ったのは、壁にAVのポスターが何枚も張られていることでした。
おっぱい丸出しの女性のポスターを張っているのは、トラック野郎の運転席か西部劇の映画に出てくる酒場でしか見た事がないので、おっぱいにこんな囲まれていて仕事になるのかね? いや、ならんでしょ! と心の中でツッコミながらも強く憧れました。こんな職場がやっぱりあるんだ!! と。
1分程待っていたら、奥の部屋から目のクリクリしたお姉さんが出てきました。僕の大好きなショートカットで年の頃は20代前半といった感じです。
「じゃあこっちに来て」
ちょっとぶっきらぼうな口調のお姉さんに導かれるまま、奥の部屋に連れられて行きました。この時、AVメーカーに女の人がいるという衝撃が大きく、奥の扉の中がどうなっているのか心配することは一切ありませんでした。
心配や不安は引っ込み、興味、興奮、期待で僕の胸はパンパンになっていました。
「言葉責めは得意なほうです」AV男優の面接でハッタリかます。AV男優を募集しているメーカーに、やけくそといたずら半分で応募の連絡をしたら「面接します」と言われ、妙な期待に股間を膨らませのこのことAV会社にやってきました。
通された奥の部屋は、最初に見た入り口近くのthe会社といった雰囲気の部屋と同じで、書類が積み重なり、オフィス用の電話が各机にありました。ちょっと違ったのは、裸の女の写真とスリーサイズとかプロフィールが載っている紙が、山積みの書類の上に束で無造作に置かれていたことでした。
「これってもしかしてAV女優さんの広告じゃないのか!?」
と気になり、チラチラと覗き見しました。こんな束になるほどAV女優っているのか。しかもカタログみたいに紙を見て選ぶのか? と初めて見る光景にテンション上がりっぱなしです。そんな不審な僕にお構いなしのそのお姉さんは、部屋の一番奥までどんどん進み、そこだけ何も置かれていない机を挟んで僕と向かい合わせになるように座りました。そして紙とペンを渡して言いました。
「これに書ける範囲で構わないので書き込んで」
僕の性癖ってなんだ?
その紙は履歴書のような感じで、名前や生年月日、住所、連絡先、学歴、職歴、資格などを書き込む欄が用意されています。
名前、生年月日などの今で言うところの個人情報を正直に書いて大丈夫なものか、一瞬躊躇しましたが、後で嘘だとバレたらそれはそれでなんか気まずいと思い、うそ偽りなく書きました。住所を書くときに、ちらっと親の顔が浮かびましたが、本当のことを書きました。その瞬間、親からの愛情をほんの少し裏切った気がしました。
学歴、職歴はその流れですらすら進んだのですが、資格のところで少し迷い、英検2級と嘘を書き込みました。本当は3級です。少しでも何らかの能力が高い方が面接と名が付くものには通りやすい気がしたので、見栄を張りました。我ながら小さい男です。
趣味・特技の欄には、15年間続けてきた水泳と書きました。一瞬、社交ダンスという言葉も頭をよぎりましたが、居場所がなかったそことは切り離したくて書き込みませんでした。この時点で、大学での社交ダンスサークル所属は黒歴史に分類されました。
続いて下の方にいくと性癖、フェチ、体験人数の欄があり、さらにその下には、顔出し、SM、おしっこ、うんこという項目と、それぞれの横にOK、NGと書かれていました。
ここで僕のペンがピタッと止まりました。僕の性癖って何だ? と悩んじゃいました。その様子に気付いたお姉さんが話しかけてきました。
「何が好き? おっぱいとか、脚とか。あとは、とにかく陰毛の濃いマンコが好きとか、アナルとか、何でもいいから」
AVの中以外の場所で、女性の口から「マンコ」って言葉が発せられて、しかも普段使いのように当たり前に使われたことと、アナルって単語を本当に使う人がいるんだというWの驚きでした。僕の中では、お尻の穴は肛門で、アナルは男友達との会話の中で受けを狙う時に使うフレーズでしたので、軽くショックでした。
でもそんな動揺を悟られたら男優に向いてないと思われちゃうんじゃないかと心配になり、「全部好きですね」と全肯定で返しました。なんなら「熟女なんかも大好物です」と被せて。
「言葉責め? 得意なほうです」渾身のブラフ!
続けざまに、
「SM?どちらもいけますよ。軽く縛ったりはあります。言葉責め? 得意な方です」
とかましました。ほとんど嘘です。唯一、言葉責めだけはかろうじてそれっぽい経験がありました。
テレクラで知り合った100kg越えの女性と深い仲になった時に、言葉責めして欲しいとねだられ、言わされるがままに、
「濡れてるよぉ、ぐちゃぐちゃじゃん~」
と囁いたのです。そしたら喘ぎ声が大きくなったので調子に乗り、
「この雌豚が!」
とアドリブかましたところ、
「それは嫌!」
と冷静にダメ出しされた経験がありました。
そのたった一度の苦い思い出だけを踏まえて、「言葉責め、得意です」と言ってみたのです。
嘘をつきまくって吹っ切れ気味になり、こうなったら大やけくそでかませるだけハッタリかまして何としても撮影現場にいってやると妙に乗ってきていました。
と聞かれることが結構あります。そのたびに考えるのです。僕はいつから男優になったのだろうかと。
中学高校の頃からエロ本とエロビはよく見ていて、「どうやったらこのモザイクの向こう側に行けるのだろうか」と考えていました。モザイクの向こうにはオ〇ンコがある! そればっかを夢見ている、性欲旺盛な10代でした。
高校を卒業し、少しでもAV業界に近づくためにレンタルビデオ屋でアルバイトしました。
「レンタルビデオ屋にはAV業界の人が出入りしていて、仲良くなれば撮影現場に連れていってもらえるんじゃないか」
と想像したのです。でも実際には、AV業界の人には一人も会いませんでした。ただ、この店舗で一番AVを借りているのが僕だったと顧客情報から判明して、
「僕にはモザイクの向こうに行く資格があるんじゃないか」
と、自負しました。
「ヤクザとか怖い人がでてきたらどうしよう」
それほど悶々としながら20歳になった僕は、AV業界の裏側を特集した雑誌に、素人男優募集メーカーの一覧が載っているのを偶然見つけてしまいました。すぐにでも電話して応募したい気持ちでいっぱいになりましたが、色々な事情を考え思いとどまりました。
まずは「親にバレたらどうしよう」という考えが真っ先に浮かび、それから、「ヤクザとか怖い人が出てきたらどうしようか」と不安にもなりました。あと、「映像は一生残るから、将来何かの時にその映像が見つかって人生台無しになったらどうしようか」とも悩みました。
まだ応募の電話もしていないのに、AVに出るということの意味が急に重くのしかかってきました。大学受験で失敗はしたけど、今までの人生はそこそこ順調で、親にも友達にも恵まれていて文句ないっちゃあ無い人生でしたから、この流れを断ち切ってまで「モザイクの向こう」に行きたいかと言うと、そこまでじゃないと思ったのです。AVに出る=もう普通の生活には戻れないと思ったのです。
不安に打ち勝ったAVへの高揚感
でも、一浪して入った大学のランクに納得がいかなかったり、無理して入った社交ダンスサークルにも馴染めず、初めて過ごす大学の長い夏休みを持て余していたある時、魔が差したというか、ちょっとした出来心で、イタズラ電話ぐらいの乗りで応募の電話をかけちゃいました。
そしたら、予想していたよりもしっかりとした対応をされ、
「とりあえず面接に来て下さい」
と言われ、「はい、では明日行きます」と返事してしまいました。
電話を切った後、すぐに後悔しました。何てことしたんだと。でもすぐその後、いや同時に、「モザイクの向こう側に行けるかも!」という高揚感に包まれました。大丈夫なのか? 本当にこんなことして大丈夫なのか? と自問自答するのですが、高まる気持ちが不安一切を打ち消します。受験とも違うドキドキです。ずっと夢見ていた世界に飛び込めるかもしれないのに、その先がバラ色のようでもあり薄暗い闇にも見えるのです。僕は一体どうなっちゃうんだろうと。
でも、とりあえず言われた住所を目指して次の日面接に行きました。
AV男優の面接がどんなものか想像つかないのですが、妄想ばかりどんどん膨らんでいきます。
「じゃあちょっとパンツ脱いでチンコみせてもらえるかな?」
と面接官にいきなり言われ、
「君、ビンビンだね。ちょっといきなりだけどやってみる?ちょっと!! 女優呼んできて!」
みたいな展開がもしかしてあるかもしれない――と期待しちゃっている僕は、万が一に備えて日課だったオナニーを前の晩は我慢しました。
ビンビンの朝立ちと共に目を覚まし、一番きれいなパンツを穿いて指定された住所に指定された時刻の15分前に着きました。
「こんな職場、本当にあるんだ!」
早く着き過ぎるのも何だからと、すぐ近くにあった本屋さんで立ち読みして時間をつぶそうと思いました。勿論、真っ直ぐにエロ本コーナーに向かい、AV情報雑誌系を中心に読み漁りました。
僕の一番好きな現場取材コーナーの記事を見つけ、「もうすぐここに行けるかもしれない」と食い入るように見つめていました。ふとしたら、パンツに我慢汁が付いたのか濡れた感触がします。染みつきパンツじゃ汚らしいと思い、新しいパンツを買って履き替えようかとも考えたのですが、その時すでに約束の時間の3分前だったので、「絶対に遅刻する訳にはいかない」という気持ちの方が強くて、仕方なしにそのまま指定された住所を訪ねました。
「あのぉ、昨日、男優さん募集の記事を見て電話した者ですが……」
「あぁ、奥の部屋ですね。のりかー! 男優希望の人来たよ」
眼鏡をかけた30代中盤ぐらいの、本当にそこらへんにいそうな男性が対応してくれました。周りにいる方も、スーツこそ着ていませんが至って普通っぽいおじさん達で、怖そうな人は一人も見当たりません。机の上には書類が山積みで、いかにも会社って感じです。ただ一つ普通の会社と違ったのは、壁にAVのポスターが何枚も張られていることでした。
おっぱい丸出しの女性のポスターを張っているのは、トラック野郎の運転席か西部劇の映画に出てくる酒場でしか見た事がないので、おっぱいにこんな囲まれていて仕事になるのかね? いや、ならんでしょ! と心の中でツッコミながらも強く憧れました。こんな職場がやっぱりあるんだ!! と。
1分程待っていたら、奥の部屋から目のクリクリしたお姉さんが出てきました。僕の大好きなショートカットで年の頃は20代前半といった感じです。
「じゃあこっちに来て」
ちょっとぶっきらぼうな口調のお姉さんに導かれるまま、奥の部屋に連れられて行きました。この時、AVメーカーに女の人がいるという衝撃が大きく、奥の扉の中がどうなっているのか心配することは一切ありませんでした。
心配や不安は引っ込み、興味、興奮、期待で僕の胸はパンパンになっていました。
「言葉責めは得意なほうです」AV男優の面接でハッタリかます。AV男優を募集しているメーカーに、やけくそといたずら半分で応募の連絡をしたら「面接します」と言われ、妙な期待に股間を膨らませのこのことAV会社にやってきました。
通された奥の部屋は、最初に見た入り口近くのthe会社といった雰囲気の部屋と同じで、書類が積み重なり、オフィス用の電話が各机にありました。ちょっと違ったのは、裸の女の写真とスリーサイズとかプロフィールが載っている紙が、山積みの書類の上に束で無造作に置かれていたことでした。
「これってもしかしてAV女優さんの広告じゃないのか!?」
と気になり、チラチラと覗き見しました。こんな束になるほどAV女優っているのか。しかもカタログみたいに紙を見て選ぶのか? と初めて見る光景にテンション上がりっぱなしです。そんな不審な僕にお構いなしのそのお姉さんは、部屋の一番奥までどんどん進み、そこだけ何も置かれていない机を挟んで僕と向かい合わせになるように座りました。そして紙とペンを渡して言いました。
「これに書ける範囲で構わないので書き込んで」
僕の性癖ってなんだ?
その紙は履歴書のような感じで、名前や生年月日、住所、連絡先、学歴、職歴、資格などを書き込む欄が用意されています。
名前、生年月日などの今で言うところの個人情報を正直に書いて大丈夫なものか、一瞬躊躇しましたが、後で嘘だとバレたらそれはそれでなんか気まずいと思い、うそ偽りなく書きました。住所を書くときに、ちらっと親の顔が浮かびましたが、本当のことを書きました。その瞬間、親からの愛情をほんの少し裏切った気がしました。
学歴、職歴はその流れですらすら進んだのですが、資格のところで少し迷い、英検2級と嘘を書き込みました。本当は3級です。少しでも何らかの能力が高い方が面接と名が付くものには通りやすい気がしたので、見栄を張りました。我ながら小さい男です。
趣味・特技の欄には、15年間続けてきた水泳と書きました。一瞬、社交ダンスという言葉も頭をよぎりましたが、居場所がなかったそことは切り離したくて書き込みませんでした。この時点で、大学での社交ダンスサークル所属は黒歴史に分類されました。
続いて下の方にいくと性癖、フェチ、体験人数の欄があり、さらにその下には、顔出し、SM、おしっこ、うんこという項目と、それぞれの横にOK、NGと書かれていました。
ここで僕のペンがピタッと止まりました。僕の性癖って何だ? と悩んじゃいました。その様子に気付いたお姉さんが話しかけてきました。
「何が好き? おっぱいとか、脚とか。あとは、とにかく陰毛の濃いマンコが好きとか、アナルとか、何でもいいから」
AVの中以外の場所で、女性の口から「マンコ」って言葉が発せられて、しかも普段使いのように当たり前に使われたことと、アナルって単語を本当に使う人がいるんだというWの驚きでした。僕の中では、お尻の穴は肛門で、アナルは男友達との会話の中で受けを狙う時に使うフレーズでしたので、軽くショックでした。
でもそんな動揺を悟られたら男優に向いてないと思われちゃうんじゃないかと心配になり、「全部好きですね」と全肯定で返しました。なんなら「熟女なんかも大好物です」と被せて。
「言葉責め? 得意なほうです」渾身のブラフ!
続けざまに、
「SM?どちらもいけますよ。軽く縛ったりはあります。言葉責め? 得意な方です」
とかましました。ほとんど嘘です。唯一、言葉責めだけはかろうじてそれっぽい経験がありました。
テレクラで知り合った100kg越えの女性と深い仲になった時に、言葉責めして欲しいとねだられ、言わされるがままに、
「濡れてるよぉ、ぐちゃぐちゃじゃん~」
と囁いたのです。そしたら喘ぎ声が大きくなったので調子に乗り、
「この雌豚が!」
とアドリブかましたところ、
「それは嫌!」
と冷静にダメ出しされた経験がありました。
そのたった一度の苦い思い出だけを踏まえて、「言葉責め、得意です」と言ってみたのです。
嘘をつきまくって吹っ切れ気味になり、こうなったら大やけくそでかませるだけハッタリかまして何としても撮影現場にいってやると妙に乗ってきていました。
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