ホテルに隠しカメラ、カップル800組超の盗撮映像を生配信
2019.04.10(13:56)
【ソウルAFP=時事】動画あり
(2019/03/22)韓国
韓国・ソウル警察庁は21日、ラブホテルにスパイカメラ(隠し撮り用小型カメラ)を設置して盗撮した映像をインターネットで生配信したとして、男2人を逮捕、さらに別の2人の事情聴取を行っていると発表した。被害に遭ったカップルは800組以上に上るとされ、盗撮が大きな問題になっている同国でも最大規模の事件となった。
警察によると、男4人はラブホテル30軒の計42室にスパイカメラを設置。レンズの直径はわずか1ミリほどで、ドライヤーのホルダーやコンセント、テレビ機材の中に仕込まれていた。
3か月間に、カップル800組以上の性交などの様子が盗撮されていたという。
盗撮映像は、海外サーバーで運営されている定額制ウェブサイト上に24時間配信され、会員数は約4000人。中には月額5万ウォン(約5000円)の追加料金を支払い、特別編集した「限定」コンテンツをリピート再生できるサービスを利用していた会員もいた。4人は計700万ウォン(約70万円)を稼いだとされる。
韓国では、主に男性が女性をスパイカメラで盗撮する「モルカ」が学校やトイレなどで横行しており、当局はその対策に追われている。
2017年には関連犯罪で5400人以上が逮捕されたが、うち収監に至ったのは2%にも満たないという。
昨年にはソウル市内で、「#MeToo(私も)」運動の一環として盗撮に抗議する集会が複数開催され、数千人の女性が参加した。
Kポップ界に広がるセックススキャンダル、まん延する女性差別 韓国
韓国のKポップ界は、究極に清廉潔白なイメージでスターを売り出してきた。スターたちはその健康的なルックスで世界中にファンを増やしてきたが、このところセックススキャンダルが相次いでいる。活動家らは、これらのスキャンダルは、韓国社会にまん延する女性への差別と虐待を浮き彫りにしていると指摘する。(写真はBIGBANGのV.Iさん)
韓国人歌手チョン・ジュニョン、引退表明 性行為の盗撮認める
わずか2日のうちに、男性人気アイドルグループ「BIGBANG(ビッグバン)」のメンバーV.I(本名イ・スンヒョン)さん(29)と、男性人気歌手チョン・ジュニョンさん(30)の2人が、相次いで芸能界からの引退を表明した。
V.Iさんは、投資家への性的サービスあっせん疑惑が浮上し、チョンさんは、女性との性行為を同意なく撮影した動画を共有した事実を認めたのだった。
韓国の放送局SBSの報道によれば、チョンさんとV.Iさんは同じチャットグループのメンバーで、そこでは複数のメンバーが、少なくとも10人の女性との性行為を盗撮した動画を共有していた。
韓国では、男性が主に女性を隠し撮りする「モルカ」と呼ばれる「スパイカメラ(隠し撮り用小型カメラ)」による盗撮行為がはびこっており、取り締まりが行われてきた。
だが、このような状態でも、Kポップスターは一般的にクリーンなイメージが植え付けられており、韓国政府は文化輸出の中心に位置づけ、積極的に他国に売り出してきた。
ソウル在住のポップカルチャー評論家イ・ムンウォン氏は、さまざな事業に手を広げているV.Iさんは「理想的な文化輸出」と一般的に見られていたと指摘する。
「スターとして並外れて勤勉である点は、ほとんどのファンが認めるだろう」と、AFPの取材に応じたイさんは話す。「歌手としてのキャリアに加え、日本語と中国語を習得し、両国でBIGBANGが活動する際には欠かせない存在になっていた」
■「グレート・ギャツビー」ならぬ「グレート・スンツビー」
V.Iさんは今週、ソウルの江南地区にある複数のナイトクラブで、出資してくれる見込みがある相手に売春をあっせんして性的接待を行った疑いで、警察の事情聴取に応じていたことが明らかになった。
V.Iさんが広報代表を務めていたナイトクラブ「バーニングサン」は、従業員が隠しカメラで女性を盗撮し、アルコールや薬物を使用して女性をレ〇プした疑いが浮上しており、V.Iさんも警察の捜査対象となっている。
スキャンダルが明るみに出る前のV.Iさんは、容姿端麗で、実業家としても成功し、派手なパーティーを主催することから、米小説家、F・スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」の主人公になぞらえて「グレート・スンツビー」の異名も取っていた。
スキャンダル発覚後、V.Iさんにはギャツビーとの共通点がさらに多いことが分かったのは皮肉だと、イさんは指摘する。「2人とも、富と名声を手に入れるために違法行為に手を染めた」
BIGBANGのファンの反応は二分している。報道内容はうそだと主張して応援し続けるファンもいれば、怒りと失望を表すファンもいる。韓国のファンの一部は、BIGBANGの評判を著しく損ねたとして、V.Iさんの除名を呼び掛けている。
■根強い女性差別
韓国の女性活動家にとって、今回のスキャンダルは意外ではなかった。
韓国では、学校、トイレ、職場での盗撮に加え、男性が過去に付き合っていたパートナーとの性行為を相手の同意を得ずに撮影し流出させる「リベンジポルノ」も横行しているとみられている。
家父長制の価値観がいまだに根強く社会に浸透しており、こうした盗撮画像や動画が拡散された場合、女性の方の評判が著しく傷つけられる可能性がある。
韓国のフェミニスト団体「フレーミング・フェミニスト・アクション」の活動家、ハン・ソル氏は、盗撮動画は一種の娯楽、または「男同士の絆」を強めるツールとして、同国の男性の間で以前から視聴、共有されてきたと指摘する。
昨年、韓国では、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を告発する世界的な「#MeToo(私も)」運動に触発された数千人の女性たちが抗議集会を行い、スパイカメラによる盗撮の厳罰化を訴えた
「今回の件で明らかになったのは、男性たちは女性を食い物にしているが、この由々しい問題に関してはKポップスターも例外ではなかったということだ」と、女性の人権活動家ペ・ボクジュさんはAFPに話した。
(2019/03/22)韓国
韓国・ソウル警察庁は21日、ラブホテルにスパイカメラ(隠し撮り用小型カメラ)を設置して盗撮した映像をインターネットで生配信したとして、男2人を逮捕、さらに別の2人の事情聴取を行っていると発表した。被害に遭ったカップルは800組以上に上るとされ、盗撮が大きな問題になっている同国でも最大規模の事件となった。
警察によると、男4人はラブホテル30軒の計42室にスパイカメラを設置。レンズの直径はわずか1ミリほどで、ドライヤーのホルダーやコンセント、テレビ機材の中に仕込まれていた。
3か月間に、カップル800組以上の性交などの様子が盗撮されていたという。
盗撮映像は、海外サーバーで運営されている定額制ウェブサイト上に24時間配信され、会員数は約4000人。中には月額5万ウォン(約5000円)の追加料金を支払い、特別編集した「限定」コンテンツをリピート再生できるサービスを利用していた会員もいた。4人は計700万ウォン(約70万円)を稼いだとされる。
韓国では、主に男性が女性をスパイカメラで盗撮する「モルカ」が学校やトイレなどで横行しており、当局はその対策に追われている。
2017年には関連犯罪で5400人以上が逮捕されたが、うち収監に至ったのは2%にも満たないという。
昨年にはソウル市内で、「#MeToo(私も)」運動の一環として盗撮に抗議する集会が複数開催され、数千人の女性が参加した。
Kポップ界に広がるセックススキャンダル、まん延する女性差別 韓国
韓国のKポップ界は、究極に清廉潔白なイメージでスターを売り出してきた。スターたちはその健康的なルックスで世界中にファンを増やしてきたが、このところセックススキャンダルが相次いでいる。活動家らは、これらのスキャンダルは、韓国社会にまん延する女性への差別と虐待を浮き彫りにしていると指摘する。(写真はBIGBANGのV.Iさん)
韓国人歌手チョン・ジュニョン、引退表明 性行為の盗撮認める
わずか2日のうちに、男性人気アイドルグループ「BIGBANG(ビッグバン)」のメンバーV.I(本名イ・スンヒョン)さん(29)と、男性人気歌手チョン・ジュニョンさん(30)の2人が、相次いで芸能界からの引退を表明した。
V.Iさんは、投資家への性的サービスあっせん疑惑が浮上し、チョンさんは、女性との性行為を同意なく撮影した動画を共有した事実を認めたのだった。
韓国の放送局SBSの報道によれば、チョンさんとV.Iさんは同じチャットグループのメンバーで、そこでは複数のメンバーが、少なくとも10人の女性との性行為を盗撮した動画を共有していた。
韓国では、男性が主に女性を隠し撮りする「モルカ」と呼ばれる「スパイカメラ(隠し撮り用小型カメラ)」による盗撮行為がはびこっており、取り締まりが行われてきた。
だが、このような状態でも、Kポップスターは一般的にクリーンなイメージが植え付けられており、韓国政府は文化輸出の中心に位置づけ、積極的に他国に売り出してきた。
ソウル在住のポップカルチャー評論家イ・ムンウォン氏は、さまざな事業に手を広げているV.Iさんは「理想的な文化輸出」と一般的に見られていたと指摘する。
「スターとして並外れて勤勉である点は、ほとんどのファンが認めるだろう」と、AFPの取材に応じたイさんは話す。「歌手としてのキャリアに加え、日本語と中国語を習得し、両国でBIGBANGが活動する際には欠かせない存在になっていた」
■「グレート・ギャツビー」ならぬ「グレート・スンツビー」
V.Iさんは今週、ソウルの江南地区にある複数のナイトクラブで、出資してくれる見込みがある相手に売春をあっせんして性的接待を行った疑いで、警察の事情聴取に応じていたことが明らかになった。
V.Iさんが広報代表を務めていたナイトクラブ「バーニングサン」は、従業員が隠しカメラで女性を盗撮し、アルコールや薬物を使用して女性をレ〇プした疑いが浮上しており、V.Iさんも警察の捜査対象となっている。
スキャンダルが明るみに出る前のV.Iさんは、容姿端麗で、実業家としても成功し、派手なパーティーを主催することから、米小説家、F・スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」の主人公になぞらえて「グレート・スンツビー」の異名も取っていた。
スキャンダル発覚後、V.Iさんにはギャツビーとの共通点がさらに多いことが分かったのは皮肉だと、イさんは指摘する。「2人とも、富と名声を手に入れるために違法行為に手を染めた」
BIGBANGのファンの反応は二分している。報道内容はうそだと主張して応援し続けるファンもいれば、怒りと失望を表すファンもいる。韓国のファンの一部は、BIGBANGの評判を著しく損ねたとして、V.Iさんの除名を呼び掛けている。
■根強い女性差別
韓国の女性活動家にとって、今回のスキャンダルは意外ではなかった。
韓国では、学校、トイレ、職場での盗撮に加え、男性が過去に付き合っていたパートナーとの性行為を相手の同意を得ずに撮影し流出させる「リベンジポルノ」も横行しているとみられている。
家父長制の価値観がいまだに根強く社会に浸透しており、こうした盗撮画像や動画が拡散された場合、女性の方の評判が著しく傷つけられる可能性がある。
韓国のフェミニスト団体「フレーミング・フェミニスト・アクション」の活動家、ハン・ソル氏は、盗撮動画は一種の娯楽、または「男同士の絆」を強めるツールとして、同国の男性の間で以前から視聴、共有されてきたと指摘する。
昨年、韓国では、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を告発する世界的な「#MeToo(私も)」運動に触発された数千人の女性たちが抗議集会を行い、スパイカメラによる盗撮の厳罰化を訴えた
「今回の件で明らかになったのは、男性たちは女性を食い物にしているが、この由々しい問題に関してはKポップスターも例外ではなかったということだ」と、女性の人権活動家ペ・ボクジュさんはAFPに話した。
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