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    食べていけないAV女優達

    2016.12.24(11:33)
    AV女優がソープ嬢へ転身事情 食えない女優の受け皿に 

    吉原に衝撃

    目立ちすぎた

     男たちの歓楽街、東京・吉原に衝撃が走っている。先月、「AV女優が在籍する店」として人気だったソープランドが摘発されたが、今度は店に女優を紹介していた芸能プロ3社の幹部が摘発されたのだ。

     事件のキモとなったAVからソープへの転身について業界関係者は「食えない女優の受け皿になっていた」と実情を明かす。

     警視庁保安課が逮捕したのは、AV女優が在籍する都内の芸能プロ3社の社長3人。客と売春させると知りながら、女優3人を吉原のソープ「ラテンクオーター」と「オートクチュール」に紹介した職業安定法違反(有害業務紹介)の疑いが持たれている。両店舗の実質的経営者はすでに売春防止法違反罪で起訴されている。

     摘発の舞台裏について、ある風俗誌編集者はこう推察する。

     「ソープ店側の建前は、部屋を貸した後のコトは従業員と客の『自由恋愛』というものだが、この店は破竹の勢いで吉原に進出していた。あまりに目立ちすぎたため、芸能プロにまで捜査の手が及んだのではないか」

    会いに行けるAV女優

     捜査関係者によると、摘発されたソープはホームページに女優の名前や写真、出演作品を掲載して集客し、約7年で計約10億2900万円の売り上げがあったとみられる。

     前出の編集者は「男性客にとって『会いに行けるAV女優』は夢がある。10年以上前に活躍した元AV女優は、いまも当時の人気を武器にソープで働いている」と説明する。

     近年では女優側の金銭的事情も影響しているようだ。

     「1本のギャラが100万円単位というのは、名前で作品が売れる一部の『単体モノ』女優の話。いまAV業界には、そうした女優に憧れる女性も多く志願してくるが、完全な買い手市場のため、その他大勢の『企画モノ』女優のギャラは3万~5万円程度まで下がっている」(編集者)というのだ。

    「プレミア」
    伊東ちなみ
     摘発された店の通常料金は120分で6万5000円だが、人気女優の場合は「プレミア」と称して料金は8万円。

     このうち店の取り分1万5000円を除いた金額を女優に渡していた。3社には40~120人の女優が所属していたという。

     両店に電話をかけると「お客さまの都合で、通話ができなくなっております」のアナウンスがむなしく響くばかりだった。

    AV業界激震…悪質撮影に国も対応へ「本番行為がダメだったとは…」

     大手プロダクションの摘発に業界中がどよめいている。所属していた女性を実際の性行為を含むアダルトビデオ(AV)の撮影に派遣したとして、警視庁が労働者派遣法違反容疑で大手プロダクション「マークスジャパン」(東京都渋谷区)の元社長や社長ら3人を逮捕した事件。一連の捜査で、いわゆる本番行為の常態化や女性の悪質な勧誘など、さまざまな問題が明らかになりつつある。AVをめぐる事件は過去にもあったが、今回の大規模捜査を機に、国も実態把握に本腰を入れる方針だ。

     ■ピル服用で…AV撮影で横行する実際の性行為

     「私は逮捕されるんですか?」

     5月23日、マークス社に家宅捜索に入った捜査員に対し、同社の関係者は思わずこう尋ねたという。なぜ捜索されているかいまひとつ理解できていない様子の関係者らを尻目に、捜査員らは段ボールに資料を入れていった。

     捜索は女性の派遣先とされるメーカー「CA」(港区)にも及んだ。CAは「DMM・com」グループでAV業界最大手。業界内に動揺が広がった。

     実際の行為は同法の「公衆衛生上有害な業務」として規制されている。作品のモザイクの有無は関係ない。ところが最近は無修正をうたう海外発の動画配信サイトの拡大などで、AV撮影での実際の行為はほとんど当たり前になっている。

     「本番行為がダメだと今更強く認識している関係者はいなかったかもしれない」と業界関係者。「過激な撮影のため女性はその都度、経口避妊薬の服用と性病検査を続けさせられていたようだ」と、捜査関係者も最近の傾向を問題視する。

    ■契約書に「成人向けの作品“も”出演する」の文言

     発端は女性の相談だった。相談からは契約の強引さも浮かんだ。

     女性は平成21年に別のモデルプロダクションからマークス社を紹介され、当時の社長に「グラビアモデルとして契約してもらう」と説明され、契約書にサインした。女性は契約書をよく読ませてもらえず、写しも受け取っていなかったが、「成人向けの作品も出演する」とする文言が書かれていたという。

     その後、女性はAVの撮影現場に連れていかれ、女性が撮影を拒否すると、「サインしたじゃねえか」「スタッフがもう集まっているだろう」「違約金を払え」などと数人で取り囲んで数時間にわたって軟禁状態にし、撮影を強行。1本撮影すると次々撮影することになり、約5年間出演させられた。知らないうちに無修正の作品も出回っており、弁護士らとともに警視庁に相談した。

     長年業界に携わった関係者によると、こうした強引な撮影はほかのプロダクションやメーカーでも横行しているという。契約書や台本の内容は曖昧で、女性に何をさせるか知らせないまま事を進めていくのが常套手段。「最近は利益を出そうと、行為の過激さや奇抜さがエスカレートする傾向にある。もう辞めたいと泣いていた子は何人も見た。人権侵害と言われても仕方ないケースもある」と明かす。

     ポルノ被害と性暴力を考える会によると、同会に寄せられる相談は26年ごろから急増している。モデル事務所と偽って契約し、AV出演を余儀なくされたなどといったケースが目立っている。

     ■相次ぐAV業界めぐるトラブル…摘発までに時間も

     AV業界をめぐっては平成20年、モザイクの薄い作品を合格させたとして、自主審査機関「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫)の審査部門責任者が、わいせつ図画頒布幇助容疑で警視庁に逮捕された。16年には撮影で女性に悪質な暴行を繰り返したとして、メーカーの代表らが強制わいせつ容疑で逮捕され、後に強かん致傷罪で有罪判決を受けた。

     同庁保安課によると、労働者派遣法違反容疑での摘発は9年ぶり。これだけ実際の行為が蔓延しているにも関わらず摘発例が少ないのは、性犯罪などと同様、女性が特定されることなどを恐れて裁判などで証言することに消極的になってしまうためだ。同庁は26年から十数件、女性から相談を受けているが、途中で相談を取り下げる女性もおり、摘発に漕ぎ着けるまで時間を要した。

     「事件化だけで悪質な状況を変えることは難しい」「メーカー側も責任を負う仕組み必要なのではないか」。事件を機に、一部の業界関係者からはこういった声も上がっている。

     一連の問題を受け、内閣府や関係省庁は実態把握を進める方針だ。内閣府は、啓発の推進や、被害者が相談しやすい体制づくりを通じて、効果的な支援の拡充を図ることを決めた。

     内閣府暴力対策推進室の担当者は、「世間の関心も高く、放っておけない問題となっている。支援団体への聞き取りなどを通して、何が必要か把握していきたい」と話している。



    女優をソープに斡旋で逮捕 AV業界の寒いフトコロ事情

    2016年11月26日 日刊ゲンダイDIGITAL

     有名女優も所属していたAVプロダクションが摘発された。職業安定法違反(有害業務紹介)容疑で警視庁に逮捕されたのはいずれもAVプロ社長で、「スタイルワン」の榎本昌央容疑者(39)や「BELLTECH」の前田正太郎容疑者(38)ら3人。2012年9月~今年5月までに20代のAV女優3人をソープ店に紹介した疑いだが、摘発に至るのは異例だ。

    「3人が紹介したソープは『AV女優在籍』をウリにし、先月、警視庁に摘発された『ラテンクオーター』と『オートクチュール』。AV女優に客が1人付くごとにプロダクションが5000円を受け取り、女優は5万円ほどをもらっていた。3人は両店の実質経営者と知り合いで、以前からソープ勤務希望者を店に斡旋していたようです。ソープ側も、AV女優も、AVプロダクションも納得済みで、誰も“被害者”はいない。逮捕は東京五輪に向けた浄化作戦の一環で、見せしめでしょう」(捜査事情通)

     摘発されたAVプロはどれも「中堅クラス」(AV業界関係者)。元AKBのAV女優として話題になったやまぐちりこが所属していた事務所もある。しかし、この数年、AV界は不況だという。AV嬢をソープに斡旋したのも懐事情が寂しいからだ。AV業界関係者は嘆く。

    「最近までは、中国の“爆買い”のおかげでなんとか持ちこたえていましたが、最近は爆買いも終息気味にある。追い打ちをかけるようにAV強要問題が取り沙汰されたため、仕事のキャンセルが相次いでいます。AV女優の仕事はなくなり、ソープに行かせるしかないんです」

     一方で、AV女優を志望する女の子は増えているという。

    「最近の子は友達と一緒という軽い気持ちで出演し、中には玉のこしを狙ってAV女優になる子もいます。AV女優の肩書があると、熱烈なファンからラブコールが来たり、中国やアラブの金持ちと出会う機会もあるためです。たとえ仕事がなく、ソープ嬢になっても待遇がいいので女の子も辞めたがりません」(風俗ライターの蛯名泰造氏)

     AV業界のさむーい時代は続くことになりそうだ。


    AV強要、女性「もう消えたい」 支援団体にSOS増加

    2016年12月27日 朝日新聞デジタル

     若い女性がアダルトビデオ(AV)への出演を強要される被害が、あとを絶たない。言葉巧みに誘われて出演の契約書にサインさせられ、断れば違約金を求められ、追い込まれてしまうケースが目立つ。支援団体は「一人で悩まず、すぐに相談を」と呼びかけている。

    ■寂聴さんら支援へ研修会

     2009年に結成された支援団体「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS〈パップス〉)」に寄せられた相談件数は、14年に36件、15年62件、16年(11月まで)93件と増えている。深刻な相談を伝えたあと、自殺した女性もいるという。なかには、男性の同性愛者向けのビデオに出演を強要された男性の相談もあるという。

     AV被害の実態を調べようと、警察庁は今年、全国の警察に寄せられた相談件数を初めて集計し、11月に公表した。それによると、6月までの2年半で22件にのぼる。

     被害に苦しむ女性を救おうと、若い女性の支援に取り組む「若草プロジェクト」が今月11日、京都市で研修会を開いた。

     プロジェクトの呼びかけ人代表は、僧侶で作家の瀬戸内寂聴さん(94)と元厚生労働事務次官の村木厚子さん(60)。各地で活動する支援者ら約50人が参加し、PAPSがAV被害の実例を紹介した。

     都内の大学に通う女性は新宿駅で、モデルのスカウトマンと名乗る男に声をかけられた。話を聞くだけならと、写真スタジオに行くと、学生証のコピーをとられた。水着や上半身裸の姿を撮られ、「人気アイドルも通った道だから」とAV出演の契約書にサインさせられた。

     女性は、いったん家に戻り、3日後に電話をし、撮影を断った。すると、「違約金を払え。親や学校に知られてもいいのか」と脅された。さらに「断るなら事務所に来て」と言われ、行くとその場でレいプされ、撮影された。その後も怖くて抵抗できず、何度もAVに出演させられた。女性は相談に来たとき、「死にたい、苦しい」「もう、消えたい」と訴えていたという。
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