ラブホテル利用方法
2014.01.08(12:46)
一言にラブホテルといっても、2階建てのこぢんまりとしたものから高層ビル形式の堂々としたものまで、さまざまな形態のものがある
そうした形態によりチェックインの仕方や料金の支払い方も異なるのが通常である。
そのため慣れないうちは、ラブホテルを訪れる客は少なからず戸惑いを感じてしまう。
ここではまず最初に、ラブホテルについて何の知識もない方もいると思うので、ラブホの形態やその利用方法についての初歩的な説明をしよう。
ラブホテルの形態
モーテルタイプ
モーテルというのは、車での利用を念頭においたラブホテルの最も代表的な形態である。
郊外の幹線沿いや高速道路のインター付近に多く立地し、そのほとんどは”ワンルーム・ワンガレージ式”と呼ばれる、一つの客室に一つの車庫が併設された構造をその特徴としている。
このタイプのラブホテルは、通常、建物の構造は2階建てまでであることが多く、典型的なパターンは1階が車庫、2階が客室である。客室が横に連なるように配置されている構造を指して、業界ではこの手のラブホテルを連棟式と呼ぶこともある。
車庫からフロントを通らず直接に客室に行けることから人目につく機会が少なく、年配ばかりかシャイな若者、不倫や援助交際目的のカップル等々、幅広い層に根強い人気のある形態である。
現在、この手のラブホテルは新たに建てることは法律の絡み上、ほとんど不可能であり、現存するのはかなり以前に建築されたものばかりである。たびたびリニューアルと称して室内の改装はしてはいるものの、一皮剥けば内部は相当老朽化が進んでいる。
構造も”室内は狭く、天井高は低い”など、最新のラブホテルの潮流からは完全に取り残されている。
チェックインの方法
チェックインは、「空室」と表示されている車庫に車を停めたら、その車庫に割り振ってある番号の客室にそのまま入室すればよい。特にフロントに断る必要はない。車庫のドアの奥か、若しくは車庫の入り口付近に客室へと通じる階段がある。
車庫に車が入っている客室は他の客が入室済みであることは言うまでもないが、車庫に車が入っていない場合でも車庫内に設置されたパネルや合図に”準備中”のランプが点灯している時は入室できない。
「空室」表示の車庫がない場合は、「準備中」表示の車庫に車を入れて待つことになる。「準備中」といっても、ラブホテルのメイク係(掃除を担当するスタッフ)がその客室に清掃に入っているとは限らないので、相当待たされることもある。車が車庫に入ったことはセンサーによりフロントは把握できるので、フロント係がそれに気がついたら、他に待ちの客がいない場合には優先的に部屋の清掃に入るようにメイク係に指示を出すこともある。
待てど待てど、「準備中」が「空室」にならない時は、ラブホテルに一言、電話を入れてみるのも手である。
この形態は車での利用を前提にしてはいるが、もちろん徒歩や自転車・バイクでの利用でも可能である。
フロントタイプ
フロントを備え、チェックインの際には必ずフロントに立ち寄る必要がある形態のラブホテルである。一見、シティホテルやビジネスホテル風の外観を備え、6階や7階建てといったビル形式を取ることも多い。
街中にあるものや、比較的新しく建てられたものはほとんどがこの形態である。街中にあるものは駐車場はないか、あってもわずかである。郊外に位置するものは客室の数以上の駐車場が用意されていることも珍しくなく、例えば、ラブホテルの駐車場で相方と待ち合わせすることもできる。駐車場にはモーテルタイプのような客室番号の割り振りはなく、どこに車を停めるも自由である。
チェックインの方法
モーテルタイプは車庫に車を入れた段階で客室が決まるが、このタイプはロビーにある客室案内パネルを見ながら客室を選択する。
フロントといっても、フロントは席を外したまま無人状態であることが多い。通常、客室案内パネルの下にボタンやルームキーがあるので、ボタンがついているものはボタンを押すことにより、ルームキーがついているものはルームキーを抜くことにより部屋を選択する。
客室はボタンを押したり、ルームキーを抜いたりした段階で、”誘導”という状態になる。すなわち、客室の玄関の上部にある誘導灯が点滅を始め、客に入室すべき客室はこちらだと合図を送る。室内の照明も点灯が可能な状態になる。誘導灯は客がドアを開けた直後には点灯状態に切り替わる。
客室の鍵は誘導の際に自動的に解除されることもあれば、解除されずに閉まっていることもあるので、閉まっている場合はルームキーで解除してから入室する。
通常はこのようにチェックインの自動化がされているが、中にはフロント係が対応するものもある。その場合は希望の客室番号をフロント係に伝えて、ルームキーを受け取り入室する。
客室が満室かどうかはモーテルタイプだと、車庫に車が入っているかどうかで判断するが、このフロントタイプではそうもいかず、フロントにある客室案内パネルで判断することになる。
パネルが点灯している客室が空室である。パネルが点灯していないものは、入室か準備中のいずれかである。
パネルがすべて消えているのを見て、「満室だ」と早合点して帰ってしまう客も多いが、そうとは限らないので、パネルがすべて消えている場合には準備中の部屋があるかどうかフロントに確認してみよう。
空室の客室がない場合はロビーや待合室で待つことになる。ラブホテルによっては携帯電話の番号をフロント係に告げておけば、車の中で待機していることもできるところもある
疑似モーテルタイプ
モーテルタイプとフロントタイプの2通りの説明をしてきたが、世には一見してモーテルタイプかフロントタイプかわからないような、それぞれの特徴を併せ持ったラブホテルが多く存在する。このようなラブホテルを私は疑似モーテルタイプと呼んで区別している。
この手のタイプのラブホテルは車庫には客室番号が割り振ってあり、ワンルームワンガレージ式を採用している。
だがモーテルタイプと異なり、そのまま車庫から客室に直接通じる独立した通路や階段はない一方で、フロントタイプで見られるロビーやフロントが設置されており、原則としてロビーやフロントを通らないと客室に行くことができない構造になっている。
建物はフロントタイプのようなビル形式のものから、2階~4階建てといった中階層建てのものまでバラエティに富んでいる。
チェックインの方法
この手のラブホテルが一番、チェックインの方法はわかりづらく、戸惑うことも多い。
車庫には客室番号が書いてあるので、車庫に入れた段階で部屋も決まることになる点ではモーテルタイプと同様である。
ただ、その場合でも客室番号をいちいちフロントで告げてルームキーを受けとらないと駄目なものもあれば、そのままフロントを経由せずに客室まで直行可能な場合もある。その場合でも、表向きは「フロントで鍵をお受け取りください」とわざわざ掲示したりしている場合もあったりするから、非常にややこしい。
フロントタイプのラブホテルとして作られながら、モーテルタイプのような運用も一部可能という構造をとっており、行政と地域の監視の目を睨みながら、その時々によりチェックインの仕方も変更になったりすることもあるというのが実情だ。
コテージタイプ
敷地内に、独立した構造の建物が散在しているタイプのラブホテルである。地方のほうにいくと、たまに見かける形態である。戸建てタイプやペンション風ということもある。
客室一つ一つが離れて存在していることで、誰にも邪魔されない2人だけの空間を演出しており、日頃、隣室の存在を気にする方には魅力的な形態であろう。
チェックインの方法
モーテルタイプと同様と考えてもらえればよい。車庫に車を入れ、そのまま入室すればよい。独立した一軒家みたいなものに黙って入る訳だから、フロントに断らなければならないと考えがちであろうが、その必要はない。
ラブホテル料金
ラブホテル料金の特徴
事例の解説に入っていく前に、ラブホテル料金についての2つの特徴について述べておこう。特に、(2)については重要であり、ラブホテルの料金を複雑にしている原因の一つをなしているものである。
(1)ラブホテルの料金は一室料金である
シティホテル等では通常、お1人様○○○○円といった決め方をする。よって実際に支払う金額は、提示された金額に利用人数分を掛けて計算しなくてはならない。
それに対してラブホテルでは基本的に一部屋○○○○円といった決め方をする。
(2)ラブホテルの料金計算は、休憩と宿泊に分かれる
ラブホテルが提供するサービスは”休憩”と”宿泊”に分かれる。そして”休憩”と”宿泊”とでは計算の仕方が根本的に異なる。ラブホテルを利用する際には、常に自分の現在の利用行為が”休憩”になるのか”宿泊”になるのかを常に念頭に置かなければならない。
料金表の見方
では、早速、事例を見ながら、ラブホテルの料金システムの説明に移ろう。
なお、特に断りがない限りは、本文でいう月~金曜は祝日や祝日前に該当しない通常の月~金曜を指しているものとする。
まず、料金表を見て頂きたい。休憩・宿泊・延長・フリータイムという四つの項目に分かれていることに気がつくはずである。
順を追って説明しよう。
1)休憩
ラブホテルが担う重要な機能が”休憩”の提供である。ラブホテルを利用する客は、休憩目的が圧倒的に多く、この休憩料金の計算が基本中の基本である。
休憩には、「基本時間」と呼ばれる単位時間、及びそれに対応する「基本料金」が定められている。料金表の休憩のところを見ると、「3時間」と書いてあるが、これが基本時間だ。その横には曜日と金額が書いてある。これは曜日によって基本料金が異なることを意味している。
この事例では3時間までの休憩であれば、料金は月~金曜までは4,000円、土曜・日曜・祝日は5,000円となる。
2)宿泊
休憩に並んで、ラブホテルが提供するもう一つの重要な機能が「宿泊」である。宿泊料金も曜日によって異なり、事例では日~木曜は7,000円、金曜・土曜・祝前日は8,000円である。
ここで一つ注意して見て欲しいのが、休憩の場合の曜日の区分と宿泊の場合の曜日の区分が異なっていることである。休憩であれば月~金曜(いわゆる平日)か土曜・日曜・祝日(いわゆる休日)かで料金が分かれているが、宿泊に関しては、土曜・日曜・祝日前(いわゆる休日前)かそうではないかで区分が分かれる。
この結果、平日の金曜の休憩は平日として料金は安めだが、金曜の宿泊は土曜前ということで料金は高め、日曜の休憩は休日として料金は高めだが、日曜の宿泊は平日前ということで安めということになる。
この宿泊に関しては「宿泊タイム」というものが設けられている。
上から3つ目の表に記載されている宿泊タイムの表を見て頂きたい。日~木曜・祝日は「チェックイン22時~チェックアウト翌10時」、金曜・土曜・祝前日はチェックイン時間が1時間ずれ、「チェックイン23時~チェックアウト翌10時」となっている。
このように、ラブホテルではシティホテル等と異なり宿泊のチェックインの時間が曜日によって異なる上に、その時間も非常に遅く設定されている。これは日中はできるだけ休憩の客をたくさん入れたいという理由からである。
3)延長
ラブホテルの休憩には基本時間が、宿泊には宿泊タイムが決められていることは見てきた通りであるが、この基本時間や宿泊タイムを超えて滞在することも自由であり、そのことを「延長」と言う。
事例では延長の項目のところに30分という数字が書かれているが、これは延長30分ごとに、月~金曜であれば900円、土曜・日曜・祝日であれば1,000円が加算されることを意味している。
例えば、4時間休憩利用した場合には、基本時間である3時間を1時間オーバーしたことになるので、延長料金が2回分加算されることになる。
月~金曜の場合 :3,000円+( 900円×2回)= 4,800円
土曜・日曜・祝日の場合:5,000円+(1,000円×2回)= 7,000円
延長時間は端数は切り上げて計算される。例えば、、35分の延長は60分の延長として計算される。
延長料金の金額は、休憩や宿泊と同様に曜日で異なるが、その曜日は延長に入った時点の曜日が適用される。例えば、日曜の宿泊を延長した場合には、延長したのは月曜の朝ということになるから、延長料金は30分900円が適用される。
4)フリータイム
サービスタイムやノータイムとも呼ばれることもあるシステムである。これは休憩の場合において一定の時間帯内の利用であれば、「休憩料金+延長料金」ではなく、フリータイム料金として定められている金額を料金の上限としようというものである。
一番下にあるフリータイムの時間帯の表を見て欲しい。平日(月~金曜)であれば「6時~17時」「15時~22時」、土曜・日曜・祝日であれば「6時~14時」の利用は、それぞれ5,000円、6,000円が料金の上限となる。
例えば、、平日6時~17時まで休憩すると、本来の計算では11時間(基本時間3時間+延長30分×16回)の利用であるから、18,400円となるが、フリータイムが適用されることで、この場合の料金は5,000円となる。
フリータイムというのは客に便宜を提供するものであり、フリータイムの料金よりも通常の休憩計算(基本料金+延長)で計算した方が安くつく場合には、通常の休憩計算が適用されることは言うまでもない。
以上、ラブホテルの料金についてざっと説明してみた。
「何だ、簡単じゃないか・・・」と思ったあなた、「そんなことぐらいは知っているわい・・・」と思ったあなた、実はここからはちと話がややこしくなるので、しかと読んで頂きたい。
ラブホテルでいう休憩、宿泊とは?
シティホテルやビジネスホテル等のシステムは非常に簡単である。1部屋、1日1人の宿泊が基本であり、料金は「チェックイン午後2時~チェックアウト翌日の午前10時で1人○○○○円」といった感じで、非常にシンプルである。
しかしラブホテルは違う。1日のうちに1部屋に何組ものお客が出入りするのである。よってここまで見てきたように、ラブホテルは料金が休憩と宿泊の2本立てになっている。そして休憩の場合には休憩としての料金が、宿泊の場合には宿泊としての料金が課される。
さてそこで、一つ質問をしよう。
事例で、月曜の22時にラブホテルにチェックインし3時間後の25時にチェックアウトしたとしよう。この場合は休憩だろうか? それとも宿泊であろうか?
通常の感覚からすれば、休憩であろう。何故ならば、私達は宿泊という言葉には、“一晩夜を明かす”というニュアンスを、休憩という言葉には、”短時間の滞在”というニュアンスをそこに読み取っているからである。休憩ということであれば、休憩料金を計算すればよいことになる。22時にチェックインして25時チェックアウトであれば3時間で基本時間の範囲内、よって料金は4,000円である。しかし事例における実際の答えは”宿泊”であり、料金は6,000円となる。理由はチェックアウトした時間が24時以降であったからだ。
料金表の下にある「休憩タイム」の表を見て頂きたい。
そこには休憩タイムは「6時~24時」と書かれている。これはこの時間帯の範囲でしか休憩はできないという意味である。言い換えれば、この時間帯を少しでもはみ出て利用するとすべて宿泊となるということである。
休憩と休憩タイム
ラブホテルの料金を理解するには、ラブホテルでは言う”休憩とは何か?””宿泊とは何か”をしっかり理解しなくてはならない。これを理解していないと、休憩のつもりが宿泊として宿泊料金を取られてしまったり、その又逆もある。
ではどういう場合が休憩となるのか、ここでもう一度、整理しておこう。
ラブホテルでいう休憩とは休憩タイムの時間帯内での利用を指す。少しでもこの時間帯からはみ出たら、もはや休憩ではなく宿泊であり、宿泊料金が課される。
事例のように休憩タイムが「6時~24時」である場合において、休憩となるためには、6時以降にチェックイン、24時前にチェックアウトしなければならない。5時50分にチェックインしても宿泊、24時10分にチェックアウトしても宿泊となってしまう。
「基本時間が3時間と書いてあるのだから、その時間内であれば常に休憩だ」などと早合点する人がいるが、そうはならない。
なお、休憩タイムの始まりの6時を「休憩開始時間」、休憩タイムの終わりの時間を「宿泊切替時間」(又は、宿泊強制切替時間)と呼ぶ。
宿泊と宿泊タイム
次に宿泊だが、これは休憩タイムの時間帯をはみ出て利用した場合ということになる。すなわち、宿泊切替時間~休憩開始時間の間に少しでもラブホテルを利用すれば宿泊扱いとなり、休憩料金ではなく宿泊料金が課されるという訳だ。
事例では、「24時~翌朝6時」までの間に少しでもラブホテルに滞在していれば宿泊である。
ここで、おや? と思う人もいるかもしれない。宿泊には宿泊タイムというものが設定されており、その時間帯は「22時(又は23時)~翌朝10時」と書かれており、「24時~翌朝6時」との間にずれがある。
「24時~翌朝6時」の間に利用した場合が宿泊であるならば、宿泊タイム「22時(又は23時)~翌朝10時」はどういう意味かとの疑問が出てこよう。
宿泊タイムの意味
休憩タイムという場合は、その範囲でしか休憩できず、それをオーバーすると宿泊と見なされるということは説明した。しかし宿泊タイムの意味合いはそれとは異なる。すなわち、宿泊タイムというのは、料金表に書かれた宿泊料金で宿泊できる時間帯を意味するに過ぎない。
言い換えれば、宿泊タイムの始まる時間(宿泊開始時間)前に宿泊のチェックインしたり、宿泊タイムの終わる時間(宿泊終了時間)を超えて宿泊のチェックアウトをした場合には、「宿泊料金+α」の支払いが必要となるということである。宿泊タイムにはそうした料金計算上の意味以外は特にない。
ラブホテルを訪れる客の中には、宿泊タイムにならないと宿泊できないと考えたり、休憩でも宿泊開始時間になると宿泊料金になると考える方も少なくないが、それは誤りである。ラブホテルで宿泊しようと思った場合、宿泊開始時間の前にチェックインするも自由、宿泊終了時間の後にチェックアウトするも自由である。
少しややこしくなってきたが、御理解頂けたであろうか?
宿泊の概念として、宿泊開始時間と宿泊切替時間の2つが別々に設定されていることが話をややこしくしているのだが、これはある程度、やむを得ない措置である。
事例において、仮に宿泊切替時間を宿泊開始時間に合わせて同じ22時にしてしまうと、21時に休憩目的でチェックインしたお客は1時間以内にチェックアウトしないと宿泊扱いとなってしまい、酷な結果となる。
逆に宿泊開始時間を宿泊切替時間に合わせて24時にしてしまうと、今度は宿泊客は24時になるまで待っていないと宿泊料金+αの料金が課せられてしまう。よって、休憩から宿泊にできるだけ支障なく移行するための時間帯(宿泊開示時間~宿泊切替時間)を設けざるを得なかったのである。
人数による割り増し
ラブホテルの料金は1室ごとの料金計算が基本であるが、フロントタイプや疑似モーテルタイプのラブホテルにおいては、3人目からは割増料金を取るところも多い。
これはモーテルタイプやコテージタイプとは異なり、フロントタイプや疑似モーテルタイプのラブホテルでは人数の確認が比較的容易であること、多人数で来店した客とカップルで来店した客が顔を合わせることによって、カップルが不快な気分になるのを防ぎたいなどの理由による。割増料金については、通常は3人目から料金の5割り増しとするところが多いようであるが、中には1人当たり1,000円~2,000円割り増しというところもある。
(3人以上での利用時の割増料金の例)
○1人増えるごとに料金(注)の50%加算
○1人ごとに定額(1,000円~2,000円)の割り増し
*ここでいう料金とは、利用料金全体の場合と基本料金だけの場合がある。利用料金全体の場合は延長料料金も50%加算となることになる。
通常は、利用料全体の場合のことの方が多いだろう。
3人以上から割り増しを取るということは、お金さえ払えば何人でも一つの部屋に入室できるという意味ではなく、騒音や秘匿性等の問題もあり、一定の制限はある。
ちなみに、各市町村の条例では通常、客室の広さによる定員数の制限(3.3m2~4.5m2当たり1人としているものが多い)が設けられている。
なお、幼児(6歳以下等)は割り増しの対象外とするところが多いようである。
誤解しやすいフリータイム
ラブホテルを使い慣れてくると、フリータイムについてあるとんだ誤解をする方が増えてくる。先に宿泊タイムの前にチェックインした場合には、前延長として延長料金が適用となることを説明した。この前延長という考え方をフリータイムにも適用して考える方が非常に多いのである。
例えば、事例において、平日の14時30分にチェックインして夜22時にチェックアウトした場合、フリータイムの第2部である「15時~22時」+前延長30分で、5,000円+900円(前延長1回)=5,900円と誤解してしまうのである。
フリータイムには前延長という考え方は原則ない。フリータイムはフリータイムの開始時間以後にチェックインした客にだけ適用されるのが基本である。事例でフリータイムの第2部が適用されるのは、あくまでも15時以降にチェックインした場合だけである。14時30分は15時になっていないので第1部の方が適用となる。適用となるといっても、14時30分から17時までは2時間30分しかなく基本時間内であるため、「フリータイム+延長(17時~22時で10回)」で計算するよりも「基本時間+延長(17時30分~22時で9回)」で計算した方が安くなる。
よって、この場合の休憩料金は、
料金:4,000円+(900円×9回)=12,100円
となる。
客が5,900円と客が勘違いしていたならば、これだけ開きがあると、当然、納得がいかないということになる。先述の宿泊切替時間を超えてのチェックアウトに次いで、ラブホテルと客がトラブルことが多い事案の一つである。
実は、希にフリータイムに前延長という概念を認めているラブホテルもある。そのことが混乱に拍車をかける訳であるが、時には、客の時計が狂っていて、フリータイムの時間になったと思って客がチェックインしたら、フリータイムになっていなかったということもある。
もっとも、時計の狂いでいえば、客の時計よりもラブホテル側の時計が狂っていたということの方が多いかもしれない。パソコンをお使いの方ならよく経験することであるが、コンピューターの時計は非常に精度が悪い。気がついた時には数分ぐらいは狂いを生じていることがある。これは時を刻む役割をしている水晶が熱で狂いやすいことが原因であるが、365日24時間電源を入れっぱなしのラブホテルのコンピューターにおいては常に発熱状態が続いている訳で、まめな時刻合わせを怠っているとこういう事態が発生しかねない。
私のところではそういうことがないように時折、時刻修正をしていたのであるが、それでもわずかのことでフリータイムが適用とならずに客とのトラブルが発生することもあり、現在ではフリータイムの時間帯を客に掲示している時間帯よりも10分早く開始するように調整していた。例えば、15時からスタートのフリータイムは、コンピューターの処理上は14時50分のスタートにするなどである。多かれ少なかれ、このような措置をとっているラブホテルは他にもあるだろうと思う。
ちなみに、フリータイムには前延長はなくても後延長はある。すなわち、フリータイム時間を過ぎてチェックアウトをしても、延長料金を払えばよい。しかし中には、後延長を認めていないラブホテルもある。この場合、フリータイムの時間を超えて滞在すると、フリータイムの適用がされずに、「基本料金+延長料金」で計算されたりする。
又、フリータイムは「基本時間+延長料金」と比較して、安い料金を取るのが通常であると述べたが、そうではない例もある。例えば、フリータイムが適用される時間帯は強制的にフリータイムが料金が適用されてしまったり、又、基本時間以内であれば基本料金が適用されても、基本時間を超えたら即座に「基本料金+延長料金」ではなくフリータイム料金が適用されてしまったりするといった感じである。
なおここで、念を押しておくが、フリータイムというのはあくまでも休憩の一部である。ラブホテルの料金体系は宿泊と休憩が分かれるが、フリータイムというのは、あくまでも休憩の一部である。よって宿泊が適用される場合には、フリータイムが適用されないことはいうまでもない。(但し、フリータイム+宿泊、宿泊+フリータイムといった形での適用は当然ありえる)。
このようにフリータイムはわかりづらい制度であるから、もしラブホテルでフリータイムを利用する際にわからないことがあったら、きちんとラブホテル側に確認をとることをお勧めする。
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そうした形態によりチェックインの仕方や料金の支払い方も異なるのが通常である。
そのため慣れないうちは、ラブホテルを訪れる客は少なからず戸惑いを感じてしまう。
ここではまず最初に、ラブホテルについて何の知識もない方もいると思うので、ラブホの形態やその利用方法についての初歩的な説明をしよう。
ラブホテルの形態
モーテルタイプ
モーテルというのは、車での利用を念頭においたラブホテルの最も代表的な形態である。
郊外の幹線沿いや高速道路のインター付近に多く立地し、そのほとんどは”ワンルーム・ワンガレージ式”と呼ばれる、一つの客室に一つの車庫が併設された構造をその特徴としている。
このタイプのラブホテルは、通常、建物の構造は2階建てまでであることが多く、典型的なパターンは1階が車庫、2階が客室である。客室が横に連なるように配置されている構造を指して、業界ではこの手のラブホテルを連棟式と呼ぶこともある。
車庫からフロントを通らず直接に客室に行けることから人目につく機会が少なく、年配ばかりかシャイな若者、不倫や援助交際目的のカップル等々、幅広い層に根強い人気のある形態である。
現在、この手のラブホテルは新たに建てることは法律の絡み上、ほとんど不可能であり、現存するのはかなり以前に建築されたものばかりである。たびたびリニューアルと称して室内の改装はしてはいるものの、一皮剥けば内部は相当老朽化が進んでいる。
構造も”室内は狭く、天井高は低い”など、最新のラブホテルの潮流からは完全に取り残されている。
チェックインの方法
チェックインは、「空室」と表示されている車庫に車を停めたら、その車庫に割り振ってある番号の客室にそのまま入室すればよい。特にフロントに断る必要はない。車庫のドアの奥か、若しくは車庫の入り口付近に客室へと通じる階段がある。
車庫に車が入っている客室は他の客が入室済みであることは言うまでもないが、車庫に車が入っていない場合でも車庫内に設置されたパネルや合図に”準備中”のランプが点灯している時は入室できない。
「空室」表示の車庫がない場合は、「準備中」表示の車庫に車を入れて待つことになる。「準備中」といっても、ラブホテルのメイク係(掃除を担当するスタッフ)がその客室に清掃に入っているとは限らないので、相当待たされることもある。車が車庫に入ったことはセンサーによりフロントは把握できるので、フロント係がそれに気がついたら、他に待ちの客がいない場合には優先的に部屋の清掃に入るようにメイク係に指示を出すこともある。
待てど待てど、「準備中」が「空室」にならない時は、ラブホテルに一言、電話を入れてみるのも手である。
この形態は車での利用を前提にしてはいるが、もちろん徒歩や自転車・バイクでの利用でも可能である。
フロントタイプ
フロントを備え、チェックインの際には必ずフロントに立ち寄る必要がある形態のラブホテルである。一見、シティホテルやビジネスホテル風の外観を備え、6階や7階建てといったビル形式を取ることも多い。
街中にあるものや、比較的新しく建てられたものはほとんどがこの形態である。街中にあるものは駐車場はないか、あってもわずかである。郊外に位置するものは客室の数以上の駐車場が用意されていることも珍しくなく、例えば、ラブホテルの駐車場で相方と待ち合わせすることもできる。駐車場にはモーテルタイプのような客室番号の割り振りはなく、どこに車を停めるも自由である。
チェックインの方法
モーテルタイプは車庫に車を入れた段階で客室が決まるが、このタイプはロビーにある客室案内パネルを見ながら客室を選択する。
フロントといっても、フロントは席を外したまま無人状態であることが多い。通常、客室案内パネルの下にボタンやルームキーがあるので、ボタンがついているものはボタンを押すことにより、ルームキーがついているものはルームキーを抜くことにより部屋を選択する。
客室はボタンを押したり、ルームキーを抜いたりした段階で、”誘導”という状態になる。すなわち、客室の玄関の上部にある誘導灯が点滅を始め、客に入室すべき客室はこちらだと合図を送る。室内の照明も点灯が可能な状態になる。誘導灯は客がドアを開けた直後には点灯状態に切り替わる。
客室の鍵は誘導の際に自動的に解除されることもあれば、解除されずに閉まっていることもあるので、閉まっている場合はルームキーで解除してから入室する。
通常はこのようにチェックインの自動化がされているが、中にはフロント係が対応するものもある。その場合は希望の客室番号をフロント係に伝えて、ルームキーを受け取り入室する。
客室が満室かどうかはモーテルタイプだと、車庫に車が入っているかどうかで判断するが、このフロントタイプではそうもいかず、フロントにある客室案内パネルで判断することになる。
パネルが点灯している客室が空室である。パネルが点灯していないものは、入室か準備中のいずれかである。
パネルがすべて消えているのを見て、「満室だ」と早合点して帰ってしまう客も多いが、そうとは限らないので、パネルがすべて消えている場合には準備中の部屋があるかどうかフロントに確認してみよう。
空室の客室がない場合はロビーや待合室で待つことになる。ラブホテルによっては携帯電話の番号をフロント係に告げておけば、車の中で待機していることもできるところもある
疑似モーテルタイプ
モーテルタイプとフロントタイプの2通りの説明をしてきたが、世には一見してモーテルタイプかフロントタイプかわからないような、それぞれの特徴を併せ持ったラブホテルが多く存在する。このようなラブホテルを私は疑似モーテルタイプと呼んで区別している。
この手のタイプのラブホテルは車庫には客室番号が割り振ってあり、ワンルームワンガレージ式を採用している。
だがモーテルタイプと異なり、そのまま車庫から客室に直接通じる独立した通路や階段はない一方で、フロントタイプで見られるロビーやフロントが設置されており、原則としてロビーやフロントを通らないと客室に行くことができない構造になっている。
建物はフロントタイプのようなビル形式のものから、2階~4階建てといった中階層建てのものまでバラエティに富んでいる。
チェックインの方法
この手のラブホテルが一番、チェックインの方法はわかりづらく、戸惑うことも多い。
車庫には客室番号が書いてあるので、車庫に入れた段階で部屋も決まることになる点ではモーテルタイプと同様である。
ただ、その場合でも客室番号をいちいちフロントで告げてルームキーを受けとらないと駄目なものもあれば、そのままフロントを経由せずに客室まで直行可能な場合もある。その場合でも、表向きは「フロントで鍵をお受け取りください」とわざわざ掲示したりしている場合もあったりするから、非常にややこしい。
フロントタイプのラブホテルとして作られながら、モーテルタイプのような運用も一部可能という構造をとっており、行政と地域の監視の目を睨みながら、その時々によりチェックインの仕方も変更になったりすることもあるというのが実情だ。
コテージタイプ
敷地内に、独立した構造の建物が散在しているタイプのラブホテルである。地方のほうにいくと、たまに見かける形態である。戸建てタイプやペンション風ということもある。
客室一つ一つが離れて存在していることで、誰にも邪魔されない2人だけの空間を演出しており、日頃、隣室の存在を気にする方には魅力的な形態であろう。
チェックインの方法
モーテルタイプと同様と考えてもらえればよい。車庫に車を入れ、そのまま入室すればよい。独立した一軒家みたいなものに黙って入る訳だから、フロントに断らなければならないと考えがちであろうが、その必要はない。
ラブホテル料金
ラブホテル料金の特徴
事例の解説に入っていく前に、ラブホテル料金についての2つの特徴について述べておこう。特に、(2)については重要であり、ラブホテルの料金を複雑にしている原因の一つをなしているものである。
(1)ラブホテルの料金は一室料金である
シティホテル等では通常、お1人様○○○○円といった決め方をする。よって実際に支払う金額は、提示された金額に利用人数分を掛けて計算しなくてはならない。
それに対してラブホテルでは基本的に一部屋○○○○円といった決め方をする。
(2)ラブホテルの料金計算は、休憩と宿泊に分かれる
ラブホテルが提供するサービスは”休憩”と”宿泊”に分かれる。そして”休憩”と”宿泊”とでは計算の仕方が根本的に異なる。ラブホテルを利用する際には、常に自分の現在の利用行為が”休憩”になるのか”宿泊”になるのかを常に念頭に置かなければならない。
料金表の見方
では、早速、事例を見ながら、ラブホテルの料金システムの説明に移ろう。
なお、特に断りがない限りは、本文でいう月~金曜は祝日や祝日前に該当しない通常の月~金曜を指しているものとする。
まず、料金表を見て頂きたい。休憩・宿泊・延長・フリータイムという四つの項目に分かれていることに気がつくはずである。
順を追って説明しよう。
1)休憩
ラブホテルが担う重要な機能が”休憩”の提供である。ラブホテルを利用する客は、休憩目的が圧倒的に多く、この休憩料金の計算が基本中の基本である。
休憩には、「基本時間」と呼ばれる単位時間、及びそれに対応する「基本料金」が定められている。料金表の休憩のところを見ると、「3時間」と書いてあるが、これが基本時間だ。その横には曜日と金額が書いてある。これは曜日によって基本料金が異なることを意味している。
この事例では3時間までの休憩であれば、料金は月~金曜までは4,000円、土曜・日曜・祝日は5,000円となる。
2)宿泊
休憩に並んで、ラブホテルが提供するもう一つの重要な機能が「宿泊」である。宿泊料金も曜日によって異なり、事例では日~木曜は7,000円、金曜・土曜・祝前日は8,000円である。
ここで一つ注意して見て欲しいのが、休憩の場合の曜日の区分と宿泊の場合の曜日の区分が異なっていることである。休憩であれば月~金曜(いわゆる平日)か土曜・日曜・祝日(いわゆる休日)かで料金が分かれているが、宿泊に関しては、土曜・日曜・祝日前(いわゆる休日前)かそうではないかで区分が分かれる。
この結果、平日の金曜の休憩は平日として料金は安めだが、金曜の宿泊は土曜前ということで料金は高め、日曜の休憩は休日として料金は高めだが、日曜の宿泊は平日前ということで安めということになる。
この宿泊に関しては「宿泊タイム」というものが設けられている。
上から3つ目の表に記載されている宿泊タイムの表を見て頂きたい。日~木曜・祝日は「チェックイン22時~チェックアウト翌10時」、金曜・土曜・祝前日はチェックイン時間が1時間ずれ、「チェックイン23時~チェックアウト翌10時」となっている。
このように、ラブホテルではシティホテル等と異なり宿泊のチェックインの時間が曜日によって異なる上に、その時間も非常に遅く設定されている。これは日中はできるだけ休憩の客をたくさん入れたいという理由からである。
3)延長
ラブホテルの休憩には基本時間が、宿泊には宿泊タイムが決められていることは見てきた通りであるが、この基本時間や宿泊タイムを超えて滞在することも自由であり、そのことを「延長」と言う。
事例では延長の項目のところに30分という数字が書かれているが、これは延長30分ごとに、月~金曜であれば900円、土曜・日曜・祝日であれば1,000円が加算されることを意味している。
例えば、4時間休憩利用した場合には、基本時間である3時間を1時間オーバーしたことになるので、延長料金が2回分加算されることになる。
月~金曜の場合 :3,000円+( 900円×2回)= 4,800円
土曜・日曜・祝日の場合:5,000円+(1,000円×2回)= 7,000円
延長時間は端数は切り上げて計算される。例えば、、35分の延長は60分の延長として計算される。
延長料金の金額は、休憩や宿泊と同様に曜日で異なるが、その曜日は延長に入った時点の曜日が適用される。例えば、日曜の宿泊を延長した場合には、延長したのは月曜の朝ということになるから、延長料金は30分900円が適用される。
4)フリータイム
サービスタイムやノータイムとも呼ばれることもあるシステムである。これは休憩の場合において一定の時間帯内の利用であれば、「休憩料金+延長料金」ではなく、フリータイム料金として定められている金額を料金の上限としようというものである。
一番下にあるフリータイムの時間帯の表を見て欲しい。平日(月~金曜)であれば「6時~17時」「15時~22時」、土曜・日曜・祝日であれば「6時~14時」の利用は、それぞれ5,000円、6,000円が料金の上限となる。
例えば、、平日6時~17時まで休憩すると、本来の計算では11時間(基本時間3時間+延長30分×16回)の利用であるから、18,400円となるが、フリータイムが適用されることで、この場合の料金は5,000円となる。
フリータイムというのは客に便宜を提供するものであり、フリータイムの料金よりも通常の休憩計算(基本料金+延長)で計算した方が安くつく場合には、通常の休憩計算が適用されることは言うまでもない。
以上、ラブホテルの料金についてざっと説明してみた。
「何だ、簡単じゃないか・・・」と思ったあなた、「そんなことぐらいは知っているわい・・・」と思ったあなた、実はここからはちと話がややこしくなるので、しかと読んで頂きたい。
ラブホテルでいう休憩、宿泊とは?
シティホテルやビジネスホテル等のシステムは非常に簡単である。1部屋、1日1人の宿泊が基本であり、料金は「チェックイン午後2時~チェックアウト翌日の午前10時で1人○○○○円」といった感じで、非常にシンプルである。
しかしラブホテルは違う。1日のうちに1部屋に何組ものお客が出入りするのである。よってここまで見てきたように、ラブホテルは料金が休憩と宿泊の2本立てになっている。そして休憩の場合には休憩としての料金が、宿泊の場合には宿泊としての料金が課される。
さてそこで、一つ質問をしよう。
事例で、月曜の22時にラブホテルにチェックインし3時間後の25時にチェックアウトしたとしよう。この場合は休憩だろうか? それとも宿泊であろうか?
通常の感覚からすれば、休憩であろう。何故ならば、私達は宿泊という言葉には、“一晩夜を明かす”というニュアンスを、休憩という言葉には、”短時間の滞在”というニュアンスをそこに読み取っているからである。休憩ということであれば、休憩料金を計算すればよいことになる。22時にチェックインして25時チェックアウトであれば3時間で基本時間の範囲内、よって料金は4,000円である。しかし事例における実際の答えは”宿泊”であり、料金は6,000円となる。理由はチェックアウトした時間が24時以降であったからだ。
料金表の下にある「休憩タイム」の表を見て頂きたい。
そこには休憩タイムは「6時~24時」と書かれている。これはこの時間帯の範囲でしか休憩はできないという意味である。言い換えれば、この時間帯を少しでもはみ出て利用するとすべて宿泊となるということである。
休憩と休憩タイム
ラブホテルの料金を理解するには、ラブホテルでは言う”休憩とは何か?””宿泊とは何か”をしっかり理解しなくてはならない。これを理解していないと、休憩のつもりが宿泊として宿泊料金を取られてしまったり、その又逆もある。
ではどういう場合が休憩となるのか、ここでもう一度、整理しておこう。
ラブホテルでいう休憩とは休憩タイムの時間帯内での利用を指す。少しでもこの時間帯からはみ出たら、もはや休憩ではなく宿泊であり、宿泊料金が課される。
事例のように休憩タイムが「6時~24時」である場合において、休憩となるためには、6時以降にチェックイン、24時前にチェックアウトしなければならない。5時50分にチェックインしても宿泊、24時10分にチェックアウトしても宿泊となってしまう。
「基本時間が3時間と書いてあるのだから、その時間内であれば常に休憩だ」などと早合点する人がいるが、そうはならない。
なお、休憩タイムの始まりの6時を「休憩開始時間」、休憩タイムの終わりの時間を「宿泊切替時間」(又は、宿泊強制切替時間)と呼ぶ。
宿泊と宿泊タイム
次に宿泊だが、これは休憩タイムの時間帯をはみ出て利用した場合ということになる。すなわち、宿泊切替時間~休憩開始時間の間に少しでもラブホテルを利用すれば宿泊扱いとなり、休憩料金ではなく宿泊料金が課されるという訳だ。
事例では、「24時~翌朝6時」までの間に少しでもラブホテルに滞在していれば宿泊である。
ここで、おや? と思う人もいるかもしれない。宿泊には宿泊タイムというものが設定されており、その時間帯は「22時(又は23時)~翌朝10時」と書かれており、「24時~翌朝6時」との間にずれがある。
「24時~翌朝6時」の間に利用した場合が宿泊であるならば、宿泊タイム「22時(又は23時)~翌朝10時」はどういう意味かとの疑問が出てこよう。
宿泊タイムの意味
休憩タイムという場合は、その範囲でしか休憩できず、それをオーバーすると宿泊と見なされるということは説明した。しかし宿泊タイムの意味合いはそれとは異なる。すなわち、宿泊タイムというのは、料金表に書かれた宿泊料金で宿泊できる時間帯を意味するに過ぎない。
言い換えれば、宿泊タイムの始まる時間(宿泊開始時間)前に宿泊のチェックインしたり、宿泊タイムの終わる時間(宿泊終了時間)を超えて宿泊のチェックアウトをした場合には、「宿泊料金+α」の支払いが必要となるということである。宿泊タイムにはそうした料金計算上の意味以外は特にない。
ラブホテルを訪れる客の中には、宿泊タイムにならないと宿泊できないと考えたり、休憩でも宿泊開始時間になると宿泊料金になると考える方も少なくないが、それは誤りである。ラブホテルで宿泊しようと思った場合、宿泊開始時間の前にチェックインするも自由、宿泊終了時間の後にチェックアウトするも自由である。
少しややこしくなってきたが、御理解頂けたであろうか?
宿泊の概念として、宿泊開始時間と宿泊切替時間の2つが別々に設定されていることが話をややこしくしているのだが、これはある程度、やむを得ない措置である。
事例において、仮に宿泊切替時間を宿泊開始時間に合わせて同じ22時にしてしまうと、21時に休憩目的でチェックインしたお客は1時間以内にチェックアウトしないと宿泊扱いとなってしまい、酷な結果となる。
逆に宿泊開始時間を宿泊切替時間に合わせて24時にしてしまうと、今度は宿泊客は24時になるまで待っていないと宿泊料金+αの料金が課せられてしまう。よって、休憩から宿泊にできるだけ支障なく移行するための時間帯(宿泊開示時間~宿泊切替時間)を設けざるを得なかったのである。
人数による割り増し
ラブホテルの料金は1室ごとの料金計算が基本であるが、フロントタイプや疑似モーテルタイプのラブホテルにおいては、3人目からは割増料金を取るところも多い。
これはモーテルタイプやコテージタイプとは異なり、フロントタイプや疑似モーテルタイプのラブホテルでは人数の確認が比較的容易であること、多人数で来店した客とカップルで来店した客が顔を合わせることによって、カップルが不快な気分になるのを防ぎたいなどの理由による。割増料金については、通常は3人目から料金の5割り増しとするところが多いようであるが、中には1人当たり1,000円~2,000円割り増しというところもある。
(3人以上での利用時の割増料金の例)
○1人増えるごとに料金(注)の50%加算
○1人ごとに定額(1,000円~2,000円)の割り増し
*ここでいう料金とは、利用料金全体の場合と基本料金だけの場合がある。利用料金全体の場合は延長料料金も50%加算となることになる。
通常は、利用料全体の場合のことの方が多いだろう。
3人以上から割り増しを取るということは、お金さえ払えば何人でも一つの部屋に入室できるという意味ではなく、騒音や秘匿性等の問題もあり、一定の制限はある。
ちなみに、各市町村の条例では通常、客室の広さによる定員数の制限(3.3m2~4.5m2当たり1人としているものが多い)が設けられている。
なお、幼児(6歳以下等)は割り増しの対象外とするところが多いようである。
誤解しやすいフリータイム
ラブホテルを使い慣れてくると、フリータイムについてあるとんだ誤解をする方が増えてくる。先に宿泊タイムの前にチェックインした場合には、前延長として延長料金が適用となることを説明した。この前延長という考え方をフリータイムにも適用して考える方が非常に多いのである。
例えば、事例において、平日の14時30分にチェックインして夜22時にチェックアウトした場合、フリータイムの第2部である「15時~22時」+前延長30分で、5,000円+900円(前延長1回)=5,900円と誤解してしまうのである。
フリータイムには前延長という考え方は原則ない。フリータイムはフリータイムの開始時間以後にチェックインした客にだけ適用されるのが基本である。事例でフリータイムの第2部が適用されるのは、あくまでも15時以降にチェックインした場合だけである。14時30分は15時になっていないので第1部の方が適用となる。適用となるといっても、14時30分から17時までは2時間30分しかなく基本時間内であるため、「フリータイム+延長(17時~22時で10回)」で計算するよりも「基本時間+延長(17時30分~22時で9回)」で計算した方が安くなる。
よって、この場合の休憩料金は、
料金:4,000円+(900円×9回)=12,100円
となる。
客が5,900円と客が勘違いしていたならば、これだけ開きがあると、当然、納得がいかないということになる。先述の宿泊切替時間を超えてのチェックアウトに次いで、ラブホテルと客がトラブルことが多い事案の一つである。
実は、希にフリータイムに前延長という概念を認めているラブホテルもある。そのことが混乱に拍車をかける訳であるが、時には、客の時計が狂っていて、フリータイムの時間になったと思って客がチェックインしたら、フリータイムになっていなかったということもある。
もっとも、時計の狂いでいえば、客の時計よりもラブホテル側の時計が狂っていたということの方が多いかもしれない。パソコンをお使いの方ならよく経験することであるが、コンピューターの時計は非常に精度が悪い。気がついた時には数分ぐらいは狂いを生じていることがある。これは時を刻む役割をしている水晶が熱で狂いやすいことが原因であるが、365日24時間電源を入れっぱなしのラブホテルのコンピューターにおいては常に発熱状態が続いている訳で、まめな時刻合わせを怠っているとこういう事態が発生しかねない。
私のところではそういうことがないように時折、時刻修正をしていたのであるが、それでもわずかのことでフリータイムが適用とならずに客とのトラブルが発生することもあり、現在ではフリータイムの時間帯を客に掲示している時間帯よりも10分早く開始するように調整していた。例えば、15時からスタートのフリータイムは、コンピューターの処理上は14時50分のスタートにするなどである。多かれ少なかれ、このような措置をとっているラブホテルは他にもあるだろうと思う。
ちなみに、フリータイムには前延長はなくても後延長はある。すなわち、フリータイム時間を過ぎてチェックアウトをしても、延長料金を払えばよい。しかし中には、後延長を認めていないラブホテルもある。この場合、フリータイムの時間を超えて滞在すると、フリータイムの適用がされずに、「基本料金+延長料金」で計算されたりする。
又、フリータイムは「基本時間+延長料金」と比較して、安い料金を取るのが通常であると述べたが、そうではない例もある。例えば、フリータイムが適用される時間帯は強制的にフリータイムが料金が適用されてしまったり、又、基本時間以内であれば基本料金が適用されても、基本時間を超えたら即座に「基本料金+延長料金」ではなくフリータイム料金が適用されてしまったりするといった感じである。
なおここで、念を押しておくが、フリータイムというのはあくまでも休憩の一部である。ラブホテルの料金体系は宿泊と休憩が分かれるが、フリータイムというのは、あくまでも休憩の一部である。よって宿泊が適用される場合には、フリータイムが適用されないことはいうまでもない。(但し、フリータイム+宿泊、宿泊+フリータイムといった形での適用は当然ありえる)。
このようにフリータイムはわかりづらい制度であるから、もしラブホテルでフリータイムを利用する際にわからないことがあったら、きちんとラブホテル側に確認をとることをお勧めする。
男性諸君、マンネリ人生を脱却しよう
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